特別報道 ニュース 競技紹介 選手紹介 北京五輪あれこれ 会場紹介 協力都市 オリンピック豆知識
劉翔 「期待に応えられず申し訳ありません」 再起誓う

 

男子110メートル障害アテネ五輪金メダリスト・劉翔の棄権は北京五輪でもとりわけ大きなニュースとなった。中国国民にとって、劉翔の棄権が残念な結果であることは確かで、また中国陸上界にとって、劉翔の棄権により、陸上競技でもっとも有力視されていた「金」メダルが幻に終わった。また劉翔自身にとっても、今回の棄権は非常に残念な結果に違いない。棄権を決めた後、劉翔は公の場では沈黙を貫いていたが19日、中国国民に自らの想いと今回の出場辞退について説明をした。

今回出場辞退とはなったものの、これは劉翔の選手生命が絶たれたことを意味するわけではない。「自分にはまだ力があります。けがの復調を期待するだけです。脚以外に、ほかにはどこも問題はありません。たぶん、いつかまた、再起できると信じています」。非常に残念がる劉翔だが、決してあきらめてはいないようだ。「とにかく今いちばん大切なのは、けがの治療に専念することです。アキレス腱、踵(かかと)の骨をケアすることです。来年にもチャンスはあります。その後にもまだまだチャンスはあります。自分には今まさに試練が訪れているのです」。

「今はただ落ち着いて、現実をしっかりと受け止めるだけです。必ず復活します!」劉翔の出場辞退は、コーチである孫海平にも少なからずのプレッシャーを与えた。孫コーチは記者会見の場で声を失った。劉翔に対する期待はそれほどまでに大きかったのだ。「私は決して弱音は吐かない性格です。今に見ていてください。私は必ず再起します」。

出場はままならなかった劉翔だが、彼は決勝の現場にはかならず姿を見せると明言した。チームメートである史冬鵬に声援を送るためだ。「彼には頑張ってもらいたい。今日、私は彼にエールを送ってきました。彼には何としても頑張ってもらいたい。彼には実力がある。決勝には進める。私は彼を信じています」。選手ではなく観衆として決勝をむかえる劉翔の無念がにじみ出る。

「本当に多くの方々が心配してくださっていることを感じます。これだけ多くの方々にご心配いただき、私を支えてくださる。本当に申し訳ない気持ちで一杯です。私自身、なすすべもありません。レース直前に、脚の不調を感じました。ジョギング程度でも痛みました。2週間前には12秒90ちょっとの記録が出たのに、今日になって、どうしてこうなったのか、自分でも信じられず、正直現実が受け止められなかった。もし出走していたら、かかとが・・・・とにかくもうダメでした!自分はもちろん走りたかった。ですからあのときの心境は、とても言葉ではうまく表せません。まさか自分が、北京オリンピックの予選で、敗退するなんて。しかしそれが現実でした。もっとも自分としては比較的冷静でしたが」。レースに出走できなかった劉翔自身、非常につらかったに違いない。

 

「人民網日本語版」 2008年08月19日

 

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850