|
胡同にて。将棋を指す老人。(原載:「 ラ・ヴァングアルディア」紙) |
|
北京の胡同「南羅鼓巷」を観光する外国人旅行客 |
オリンピック開催中に北京を訪れた外国人記者達は、彼らが見た中国を、さまざまな角度から描写し、記録した。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
▽活気みなぎる社会
8月20日付スペイン「ラ・ヴァングアルディア」紙には、普段と少しも変わらない北京東城区板橋胡同の生活が紹介された。ここは、北京の中心部にありながらも伝統的生活が営まれる「孤島」だ。女達は自宅の玄関先で携帯用腰掛けに座り、扇子を扇ぎながら涼んでいる。男達は集まってマージャンに興じ、その周りを見物人が取り囲む。様々な自転車や瓶詰め水、建材、廃品などを引いた三輪車が大通りを行き来している。スローペースな人々の傍らでは、果物や野菜の行商人が露店を出している。これら全ては、超高層ビル、高速道路、高架橋で満ち溢れる北京とは全くかけ離れた風景といえよう。
|
「鳥の巣」前で記念撮影する女の子(8月22日) |
|
天安門城楼を観光する外国人観光客。北京五輪閉幕が近づき、多くの外国人が天安門広場観光に来ている。(8月23日) |
▽北京に比べ、古い都市に感じるニューヨーク
8月19日付独「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(Frankfurter Allgemeine Zeitung)」紙は、オリンピック公園を建築学上から見たひとつの総合芸術品だと評した。同紙はオリンピック公園について、以下のようにつづっている。
日が落ちると、世界で最も美しいスタジアム「鳥の巣(北京国家体育場)」は、色とりどりのライトアップで照らし出され、見る者に錯覚をもたらす。オリンピック公園内のすべての建物と同様、まるで鳥の羽のようにしなやかに美しく見えるのだ。「鳥の巣」のそばには「水立方(北京国家水泳センター)」がある。これはほとんどの時間は青色だが、他の様々な色にも変化する。特に夜は非常に美しい。「鳥の巣」の北側には巧みに分割された建物群があり、最も高いタワーには建物5階分の高さのデジタルスクリーンが設置され、オリンピックの最高の瞬間を、世界に発信し続けていた。
オリンピック公園は2008年を超越している。また、2008年の中国だけではなく、終わったばかりの20世紀をも超越し、その距離は、4年前のアテネオリンピックと古代との隔たりより長く遠い。オリンピック公園を歩くと、まるで21世紀半ばに足を踏み入れた感じがする。それに比べ、ニューヨークはずいぶん古い都市に感じる。無限に発展していく活気溢れる上海でさえも、ここから見れば無邪気な「未来の夢」に過ぎない。オリンピック公園から伝わってくる未来への期待感から抜け出せる人はまずいない。それゆえ、人々は自分が受けた感銘を何とかカメラに収めようとしている。
中国のスポーツファンのTシャツには、外国語で書かれた「イタリア」の文字やドイツ三色旗の図柄が印刷されている。上機嫌の中国人は外国人を見かけると中国国旗を手渡し、「鳥の巣」の前で記念撮影をお願いするかもしれない。その写真は、今世紀中頃まで、どこかの中国人のハードディスクに残されるかもしれない。心構えが必要だ。写真ではなく、現実の世界が、オリンピック公園により近づくことを願うばかりだ。
▽「メイドインチャイナ」の本当の意味を理解
8月20日付メキシコ「エルユニバーサル(El Universal)」紙では、中国は次のように紹介されている。
北京に来る前に中国に対して私(記者)が理解していたことはただひとつ、所持するTシャツ全部に「メイドインチャイナ」のラベルがついていたことだった。中国人は普段、犬肉入りスープを飲み、誰もが皆同じような顔立ちをしていて、3度の食事はすべて米飯を食べ、どこに行ってもまず靴を脱がなければならない、と思っていた。中国語は勉強しても絶対にマスターできないとも。
北京に滞在した約40日間で、私は中国が自分の想像していた国とは全く違うことが分かった。まず、中国人はみな同じような顔立ちではない。私が滞在したホテルの従業員3人を比べても、それぞれに違う。お米のご飯は中国人にとって極めて大切だが、それ以上ではない。犬肉を食べるというのは全くの出鱈目だった。少なくとも、北京のレストランで犬肉料理に出くわしたことはなかった。中国語の完全マスターは不可能でも、時間が経てば、大通りの名前の中国語発音くらいは覚えられるし、中国語のひとつやふたつ、口に出して言えるようになる。それが中国人に通じれば、自信もつく。
しかし、私が最も深く理解したのは、「メイドインチャイナ」の本当の意味だ。中国製品の品質は決して劣悪ではない。
そのほか、ほとんどの中国人は気前が良く、協調性があり、規律に従い、他人を尊重する。大通りや街角の傍らに腰をおろし、観察していると、中国の素顔が私たちに語りかけてくる。
「人民網日本語版」 2008年08月26日
|