オリンピックを経験した北京は、インフラ整備から都市環境まで一連の変化が起こった。ここに暮らしている人たちにとって日進月歩という言葉は、決して大げさな形容ではない。「オリンピックの生活」は忘れがたい日々であり、「オリンピック後の生活」には、さらに多くの期待が寄せられている。
毎日のように変わる生活環境
仰山橋北側の地域に住んでいる項さんの家の周辺は、数年前にはだれも知らない狭い道だった。しかしオリンピックのお蔭でバスが通る広い道路になり、それからしばらく経つと緑地が広がって、さらに向こうはオリンピック公園に変わった。家の外が天然の酸素バーになったと項さんは喜ぶ。
北京南駅の拡張工事が8月1日に竣工し、その日から北京と天津を結ぶ高速列車の運行が開始した。北京と天津を往復する人は毎日4万人。オリンピックの付随施設としての高速列車の開通は、オリンピックだけではなく都市間交通の改善にも役割を果たした。
北京首都国際空港の第3ターミナルも、今までの旅客の輸送能力が、延べ3600人から7600万人に増加した。
オリンピックスタジアムの利用
「水立方」では泳ぐことができるのだろうか、「鳥の巣」の中心に立つことはできるのだろうか・・・。これは北京市民にとって大きな関心事だ。計画では、「水立方」の敷地は北京最大の市民水上娯楽センターになり、工事は今年の年末に始まる。もちろん「水立方」では大規模な競泳試合も行われるが、競技機能のスペースは今の5分の1に縮小される。
オリンピック開催前から、ランドマークとして観光スポットになっていた国家体育場の「鳥の巣」。北京市観光局によると、「鳥の巣」があるオリンピック公園センターの地域は、今後スポーツ競技やコンベンション、娯楽、ビジネス、レジャー、ショッピングが一体になった市民活動センターに変わる。ここは、オリンピック後の北京で最も記念する価値のある景勝地になるだろう。
オリンピックスタジアムは、10月1日から始まる1週間のお休みに、オリンピック期間中の試合の状況や施設を最大限に残し、北京市民や全国の観光客に開放する。
国家会議センターも、コンベンション、ビジネス、ホテル、オフィスビルなどに利用するために10月から改造され、来年の下半期には利用される予定だ。
西部の五棵松スポーツセンターは、市民のスポーツの場として、北部の順義水上センターは、北京市民の週末のピクニックの場所になるだろう。
ライフスタイルの変化
北京の人にとってオリンピックは、祝祭日のような盛大な行事だっただけでなく、多くの人々のライフスタイルも変えた。
テレビでオリンピックの試合を見ているうちに、スポーツに対する興味がわいた公務員の聶さんは、ジムに通うことを決めた。「水立方」で多くの世界新記録が誕生したことで、スイミングもブームになり、スポーツ用品店には客が殺到して、普通の店でも売上げが大幅に増加した。
自動車のナンバーが奇数か偶数によって通行が規制されるようになり、一部の人は自転車を利用するようになった。「自転車を漕ぐのは気持ちがよく、通勤先までそれほど遠くないし、空気もいい。体を鍛えるチャンスを見つかったので、このままがんばってやっていこう」という声がネットの掲示板でもよく見られる。
あるメディアは、「オリンピックは北京の人たちに、もう一度ライフスタイルを選択するチャンスをもたらした」と評している。
「チャイナネット」2008/09/01
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