チャイナドレスとカンジ

河南師範大学 李紅偉

今年の夏休み、私は通訳として結婚式に出席しました。会場は国際ホテルで、新郎が日本人、新婦が中国人というカップルてした。

あれからもう何ヶ月も前のことです。しかし、その時のめでたさといい、温もりと言い、心の中に焼きつけたように私は今もはっきり覚えています。

会場は華やかに飾り付けられ、入り口から結婚式の会場である広間まで、私は新郎のご両親の傍にずっと控えていました。その私たちの前を、新婦のご両親がゆっくりと歩いていました。この時の父親は二人とも礼装用のスーツを着ていました。そして、日本人のお母さんがフォーマルスーツで、中国人のお母さんがチャチナドレスでした。

途中で、新郎のお父さんは、その様子を見ながらこう尋ねました。「こんな結婚式は、中国では普通ですか?」私は、どう答えていいかちょっと迷いました。なぜなら、これは様式についてのですか?それとも、会場の豪華さについてのですか?結局、私は「様式は普通ですが、こんなに豪華な結婚式はめずらしいです」と答えました。

お父さんが納得したように頷きました。しかし、私はその時、心の中で「お父さんが尋ねたのは、どのことだろか?」という疑問を感じていました。

結婚式は予定通りに進行し、式のクライマックスが立ってきました。それは両国のお母さんがそれぞれ自分の国の水を入れた瓶を持ち、一つの器に水を注ぐというものでした。

そのシーンはとても感動的で、司会者のいった通り、両国のお母さんの愛の愛の込もった水が混じり合うことは、両国の融合を人に感じられずにはいられません。

お母さんが着ているチャチナドレスは色が鮮やかで、光沢があり、中国の女性の淑やかさと強さ、そして美しさの象徴だと言えます。その時のチャイナドレスは中国のシンボルだといっても言い過ぎないと思います。日本から来られたご両親にとって、中国の文化はもちるん、最も中国との縁、中国ならではの温かみも感じられたのではないでしょうか?

そして、この時、わたしはさっきのお父さんの問い掛けが分かりました。お父さんはきっとこう言いたかったのでしょう。「本当に綺麗ですね。そのチャチナドレスは」と。

ご来賓の感情の波は式の進みと共に寄ってのって、また高められました。

それは両家のご両親が一人ずつ筆を執ってそれぞれ一筆ずつ書き添えて、これから自分の元から離れていく子供に「家」という漢字を書く場面でした。

まず新婦のお父さんがヤネを書き、次に新郎のお父さんがハシラ……次々と四人が書き上げました。広いヤネ、頑丈なハシラ……中日両国の親が「漢字」を通じて、親心、願いなどをいろいろと子供に伝えていくという場面でした。この時、両国のご両親の目に涙が光っていました。

「漢字」は中日両国に共通する文化で、いわば両国の架け橋です。「漢字」を使えば、見るだけで気持ちがすぐに通じ合います。

両国間には、チャイナドレスと「漢字」のように、相違点と共通点がたくさんあります。しかし、違いを認め合い、多種多彩の美しさを素直に見つめ、共通の点からもっと理解したらどうだろうと私は思います。

創作のインスピレーション

応募作文のとおり、この文をまとめるインスピレーションはあくまでその結婚式のシーンです。私は式場に着いてからずっと両国のお母さんのそれぞれ特色のある服に注意を引き付けられました。結婚式が進むにつれて、お母さんたちの水を注ぐ姿、漢字「家」を書く場面を目の当たりにして、一種の刺激みたいなものが強くなって、文章に纏まるにいたりました。

 

人民中国インターネット版 2008年12月4日

 

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