四川大地震に思う――愛の種は小さくても 

 河北大学 李文昊

 2008年5月21日北京時間の14時28分に、ほぼ全中国で感じた地震があった。四川省ブン川地区はまるでこの世の地獄となり、毎日犠牲者の数が更新され、中国全国人民の心を締めつけている。今回の四川大地震は新中国の建国以来でも未曾有の大惨事であり、永遠に忘れられない悲劇でもある。しかし同時に、つらいときに手を差し伸べてくれる隣人の温かみを感じることが出来たのも確かである。特に中日両国の主要メデイアによると、日本救援隊及び医療チームの活躍に対する中国国内の感謝の声は、今後の中日関係に変化をもたらす大きな力となりそうだ。

歴史をふり返って見ると、確かに中日両国人民は、有り余るほどの愛と恨みの感情をそれぞれ胸に秘めているように思ったのが、でも、ブン川大地震の後、日本人民は中国人民に強い関心と同情の意を強く示した。子供にお金を渡し募金箱に入れさせている母親の姿も見えるし、数も知れないほどの店が募金箱を置いた。日本政府も、最も優れていて、経験も豊富なメンバーからなる救援隊を派遣した。それで、日本国際救援隊は一番早く被災地に到着した海外の救援隊となり、隊員たちは三昼夜救援活動を行った。私が一番印象的なのは「地震被災者に黙祷に捧げる日本の救援隊」という写真だが、その写真を巡ってネットでも大きな反響を巻き、数多くのネットユーザは隊員たちの救援活動に感動し、中日関係をもっと理性的に見直して、彼らにありがとうと言うべきだと主張しているそうだ。

過去に忘れられないほどの深い傷を受けたとしても、今回の四川大地震に対して日本国民の示した善意と愛を無視してはいけない。隊員たちは四川被災地人民の不幸と苦しさをまるで自分のこととし、それに、三昼夜かかって一生懸命被害者を捜している姿を見て、私は彼らの崇高な人道主義精神とインターナショナリズムに脱帽し、心から感謝する。

「日本、ありがとう」この僅かな言葉を、近くて遠い国――日本に言うのはかなりな勇気がいるのだ。去年女子サッカーワールドカップの期間中のことだった。日本チームとドイツチームは杭州で試合があった。終わったとき日本チームは「ありがとう 謝謝 CHINA」を書いてあった横断幕を出した。中国の観衆は全部立って彼女たちに何分間も拍手をし続けた。それは何であったのか。私は人間愛としか思えなかった。愛こそすべてであり、その愛を言葉にし、表現することによって、どんな障害も越えられると信じている。

四川大地震はすでに2008年5月21日北京時間の14時28分にとどまったが、でも中日両国人民の愛のリレーは一刻もとどまることなしに進められ、しかも、無言でありながら、愛の偉大とありがたさを証明し続けている種を蒔いたと思う。

愛は成長の遅い花だ。誠実な土壌、一刻も止まらない信頼の水、それから、涙を拭き、傷を癒す理解の暖かい光、いずれも欠くことができない。しかし、いったん成長して咲いたら、世界で一番輝いて美しい花になるに違いない。その輝きは無限の空間を通り抜け、人々の心の距離を縮める。愛は簡単に枯れない花であり、幾多の試練を経て、ますます茂ていって、ますます丈夫になる。そして、日照りにも出水にも負けない、大地震、いや、どんな災害にも負けない。

中国人は「蜀道難、難於上晴天」つまり、四川省への道は歩きにくく、天に昇るより難しいという意味の言葉を使って四川の地形を描写している。でも日本救援隊は大きな善意と愛を持ち、天に昇るよりも難しい「道」を辿って四川に到着した。彼ら蒔いた愛の種は、両国人民の心のわだかまりを解くには、まだまだ小さいものかもしれない。しかし、この種は必ず美しい大きな花を咲かせることになるだろう。暴風雨のあとにかかった虹のように。

創作のインスピレーション

過去にいくら忘れられない不幸な歴史を持っていたとしても

平和と愛を忘れないことを中日両国の青少年たちに伝えたい

 

人民中国インターネット版 2008年12月4日

 

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