浙江省温州市出身の金金さん(本名は金芬妹)は北京で茶葉店を二軒経営している。そのうちの一軒は茶葉市場として有名な「馬連道茶葉一条街」にあり、主に福建省安渓産の烏龍茶「鉄観音」を扱う。
金金さんは1994年、進学のために上京。卒業後はある会社で事務員の仕事をしていた。
ある日、茶葉を買いに行くと、店主が熱心に茶葉や茶文化を説明してくれた。金金さんはやさしく誠実な店主の人となりに惹かれ、まもなくして二人の間に愛情が芽生えた。
しかし両親は大反対。金金さんを温州に連れ戻そうとした。二人は誠意をもって両親を説得した。そして金金さんは仕事を辞め、夫の手伝いをするようになった。
茶葉を売る仕事を始めてから、お茶のいれ方、飲み方、そして販売にはすべて意味があり、文化があることを知った。学ばなければならないことがたくさんあることに気がついた。そこで茶葉に関する本を大量に読み、わからないところは専門家に教えてもらった。
「努力は人を裏切らず」。茶葉の知識は目に見えて増えた。「葉嘉先生」という店名は、茶祖と仰がれる陸羽の『茶経』からとったものだ。
今年は物価高騰と南方の雪害のあおりを受け、北京の茶葉市場の売れ行きはよくない。店に足を運ぶ人はいても実際に購入する人は少ない。ここ数カ月、ほとんど売れていない店もある。そこで金金さんたち店舗経営者は、市場経営者に対しテナント料の引き下げを求めるつもりだ。
困難は一時的なこと。この不況に耐え、これからも夫とともに努力していきたいと語る。(楊振生=文・写真0811) |