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地方の「両会」で節約が焦点に
年初めに中国各地で人民代表大会、政治協商会議(両会)が次々と開かれている。会期の短縮、経費削減、ペーパレス化……世界的な金融危機を背景に節約主義の会議が今年の「両会」の焦点となっている。 ▽会期短縮と規模縮小 経費を削減するため、一部の地方では「両会」の会期を短縮し、参加者も最低数にとどめている。浙江省の「両会」は5日間に短縮され、浙江省南京市の「両会」は従来の6日前後から政治協商会議が4日、人民代表大会が4日半に変更された。陝西省政治協商会議の会議は4日で、従来よりも2ー3日短縮され、会期中のさまざまな宴会を取り止め、参加者全員にセルフサービスの食事を用意することで、200万元の経費削減となった。担当者によると、総予算も20%ずつ削減されたという。 これだけではなく、会場に掲げられるスローガンなど細かい部分にも節約の様子があらわれていた。今年の上海市人民代表大会の会場は例年に比べて少し賑わいに欠けていた。会場の装飾はいたって簡単で、横断幕も掲げられていなかった。大会準備にあたった関係者は、「今年の人民代表大会はできるだけ節約し、古いものでも使えるものは使い、レンタルできるものはレンタルした。また車両証明の発行を制限し、参加者に専用バスの利用を促した」と紹介する。 ▽インターネットで効率向上 会期短縮によって会議の内容が減ったわけではなく、読むだけの報告やあいさつの時間が省かれた。1月11日に行われた重慶市政治協商会議第3期第2回会議の閉幕式はわずか22分で終了。ケイ元敏主席の閉幕式でのあいさつ原稿はタイトルも含めて1985文字だった。閉幕が宣言されても一部の参加者は「30分足らずでもう終わったのか?」と意外な様子だった。 浙江省の政治協商会議では大会期間中、情報化サービスが活用され、電子メールを通じて大会発言を送信するという初の試みが行われた。江蘇省南京市「両会」の代表や委員のほとんどは電子メールを使って議案や提案を提出し、コピー紙を節約しただけでなく、作業の効率も高まった。 陝西省の「両会」期間中、陝西省政治協商委員会は初めてインターネット提案システムを採用し、委員が直接ネット上で提案を提出できるようにした。また担当機関によるインターネット上での操作と、提案者によるリアルタイムの監督を実現した。このシステムによって、提案の受付係が昨年の半数の7人で済んだという。 ▽節約会議に好評の声 今年の「両会」で取り組まれている節約に対し、各界から好評の声があがっている。「両会は立派でなければならないという通常の観念と習慣にそって会場は往々にして豪華に飾られるが、実際、そんなことよりも両会は先頭に立って節約の精神を体現するべきだ」とあるネットユーザーがコメントしている。 金融危機の寒波を前に、各地の「両会」での節約への取り組みは特殊な意義を示す。あるネットユーザーは「会議の経費節約も金融危機に対応する一種の良策だ。会議で節約した経費を低所得層の生活問題改善にあて、帰郷した農民工(農村からの出稼ぎ労働者)の職業訓練支援にあて、中小企業が金融危機を乗り越えるための技術更新の支援にあてれば、金融危機に向けたより有効な役割を果たす」といった言葉を寄せ、他のネットユーザーも「節約会議の中に政府が民衆と共に困難に立ち向かおうとする決意と行動が感じられる。金融危機を乗り越える自信を強め、人心を団結し、共に難関を克服する上で大きな意義をもつ」と感想を述べている。
「人民網日本語版」2009年2月8日
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