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五 彩 双 竜 紋 茶 碗 |
清代・直径13㎝、高さ6㎝ |
中川美術館秘蔵・中国の陶磁器
華麗なる清朝時代(1616~1911年)の「康煕五彩」で彩られた碗である。金彩を土台にした皇帝専用の景徳鎮官窯(現・江西省景徳鎮)の逸品で、皇帝のシンボル「五爪の竜」が描かれている。すべての人を平伏させたであろう五爪の竜が配された茶碗は、金彩に緑色、紅色、青色が使われ、優美で明るい光沢を呈する。碗の内側は純白で硬い感触を思わせる。
柔らかい印象はなく、近寄り難さを感じさせる。薄く硬く、高温で焼き締めたこの碗は、後世では「硬彩」と呼ばれる貴重なもの。堂々たる気品に満ち、故宮の中で、周囲を睥睨していた名品であろう。見つめていると、いにしえの調べが聴こえてくるようである。(中川美術館館長・中川健造=文)
人民中国インターネット版 2009年2月16日
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