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ロシア記者:両大会と中国経済に注目
写真はコンスタンチン・シチェーピンさん コンスタンチン・シチェーピンさんは、ロシア国営のノーボスチ通信社(RIA Novosti)の北京支局で首席記者を務めている。これまで中国で5年間、ロシア国営のイタル・タス通信、中国国際放送局、ノーボスチ通信社など多くのメディアで働いた経験を持つ。2月16日、チャイナネット記者との交流のなかで、自身の仕事や体験について率直に語ってくれた。 シチェーピンさんはまず、中国における外国メディアの取材環境について話した。「中国の外国メディアに対する管理はよい方向に変化していますね。以前、外国人記者は政府部門が手配した取材活動に参加する前、スケジュール表をもらいましたが、それは、いつどのような記者会見が開かれ、いつどの工場またはどの村を訪問するなど、非常に細かく組まれたスケジュールで、自由に取材をする時間は全くありませんでした。しかし、現在では毎回大規模な取材活動のなかで、記者が自由に取材する時間も確保され、私たちは自由に取材対象を選び、必要な情報を得ることができます」。また、実際の取材活動についても紹介。「昨年、チベットの一部地域で起きた暴力事件から半月後、私は甘粛省甘南チベット族自治州を訪ねました。そこが受けた破壊や損失はラサより深刻で、約40%の住民が近くの省に逃れたそうです。漢民族が現地人口のわずか20%を占めるに過ぎないことから、難を逃れ別の地に移った住民は、漢民族だけでなく、チベット族や他の民族も含まれると言えます。ここから、民族同士の対立が問題ではないことが分かるでしょう。この興味深いデータは、私が自由に取材活動をしていたとき、通りで偶然出会った現地政府関係者から提供されたものです」。 3月に開催される両大会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)に話題が及ぶと、「これは中国の政治における一大イベントで、戦略的意義も大きいですね」と話した。記者としての立場からその重要性について、「温家宝総理の政治活動報告にいつも注目しています。報告のなかで、この1年間の重要な統計データを示されますが、これらから、中国の経済・社会運営の全体的な状況を知ることができるでしょう。このほかに、報告では今後1年間の中国政府の主要任務、社会発展計画などにも言及します。また、両大会期間中、 2つの非常に重要な記者会見が開かれます。1つは国家発展改革委員会、もう1つは外交部の主催で行われますが、これらは外国メディアの記者とって、非常に重要なものです」と説明した。 ノーボスチ通信社は現在、中国に2人の記者を置いている。同社の報道の対象となる分野について、次のように説明した。「まずは経済ですね。現在の金融危機を背景に、ロシアでは全般的に中国経済に注目が集まっています。ロシアの財務大臣がこのほど中国を訪問した際、中国側と経済危機の対応について意見交換をしています。今日、中国商務部は、国内重点小売企業1000社の1月の小売販売額が、前年同月比24.5%の増加となったと発表しました。これによって、中国政府が昨年第4四半期に内需拡大および経済成長推進を目的とした様々な政策・措置を発表して以来、一応の効果が上がったことが示されました。現在、各国は様々な経済浮揚策を講じ、大量の資金投入を行っていますが、効果はあるのでしょうか。多くの疑問点があります。ただし、中国が実施した措置の効果について、全世界が注目しているのは確かです」。さらに、「もちろん、当社は文化、政治、ロシアと中国の関係についても報道しています。報道前にはいつも、準備に大量の時間を割き、内容理解に努めています。このようなプロセスは大変な苦労が伴いますが、楽しみもありますよ」と語った。 また、自身の中国で働いた経験について、「ロシアメディアでの仕事と中国メディアでの仕事には、それぞれ良い点とそうでない点がありますね」とした上で、次のように比較している。「ロシアメディアのほうが、様々な記者会見に参加し、各地に出張する機会に恵まれています。今まで、チベット、甘粛省、広東省、四川省、東北地域に行きました。中国メディアでの仕事は、出張の機会が少なく、編集作業が多かったですね」。しかし、このように述べる一方で、中国メディアで働く利点について、「中国人の仲間とともに働くなかで、ニュースのなかのユーモアを共有し、中国文化を理解することができました。また、中国メディアのほうが、一般的に待遇はいいと言えます。例えば、宿舎が提供され、忘年会・新年会などのパーティや様々な活動に参加できます。全体的に見ると、中国メディアでの仕事には安定感があり、より多くの時間をかけて中国を理解することができると言えるでしょう」と語ってくれた。
「チャイナネット」 2009年2月23日
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