上海万博と北京五輪

上海東方テレビ局：北京オリンピックのイメージ大使を務めた楊瀾氏に質問するが、上海万博の認知度と人々の参加を広めるため、どのように上海万博をPRするか？

政協委員、陽光メディアグループの楊瀾社長：オリンピック招致に参加し、オリンピック招致で北京のイメージ大使の一人ともなったことを私は光栄に思う。オリンピックと万博は、21世紀に中国が文化と科学・技術レベルを展示するのに絶好なチャンスである。オリンピックの開催期間は比較的短く、一カ月しかなかった。万博はもっと余裕があり、人類文明の成果を展示するという意味でスポーツより広範で、われわれの生活の各分野とも関わりがある。上海万博で世界が中国をより理解し、中国文化が自らの実力や魅力を展示できるきっかけともなる。

オリンピックと同じように、上海万博も中国社会の進歩や人文の発展を促すと考えられる。たとえば、オリンピック開催期間中、ボランティアたちの精神が世界で高く評価され、中国の新世代の精神的風貌を十分に示した。また、「より良い都市、より良い生活」のスローガンは、さまざまな問題に直面している社会情勢に一致し、より多くの人々が緑のライフスタイル、省エネ、環境保全などの理念に賛同してくれるだろう。生活理念の更新と変化は、世界の中国に対する理解を深めるためにより多くのチャンスをもたらすと私は考えている。

上海万博敷地の3分の１は永遠的な緑化資源となる

上海東方テレビ局：当面の特殊な経済情勢に対して、上海万博は中国経済にどのような効果をもたらすか？

全国政協常務委員、民主建国会（民建）中央委員会の周漢民副主席：まず、投資の促進である。上海万博の土地は5．28平方キロメートルで、インフラ整備の総投資額は180億元に達し、多くの建設プロジェクトが将来永久的に保存されることが決定した。5.28平方キロメートルの土地に230万平方メートルの建物を建設し、うち6分の1は古い建築物を改装し利用される。また、3分の1は緑化し、上海市の永久的な緑化資源となる。

上海万博が中国文化創意産業の新たなチャンスに

上海東方テレビ局：万博は世界の科学技術文化交流の盛会とし、どの面からその文化的意義を理解すべきか？

政協委員、陽光メディアグループの楊瀾社長：まず、万博は人類文明の最も新しい成果を示す世界規模の文化盛会である。革新とは万博の魂であり、展示される新たな技術、製品の後ろには、新たな世界観、思想、理念、文化、ないし新たなライフスタイルが潜んでいる。

万博発展の歴史を振り返ってみると、過去の万博で展示された新たな科技と材料は、今後の文化創意に携わる者の芸術創作において新たな材料と媒介となっている。例えば、1900年のパリ万博にはライトが展示された。それがなければ、今日のカメラマンはどう仕事をすればよいかも分からないだろう。

2010年の上海万博も中国の文化創意産業にとって新たな発展のチャンスとなるだろう。開催申請の際から上海万博は文化創意とデザインを重視しており、エンブレム、マスコット、万博園区の全体的企画や主なパビリオンのデザイン案なども世界中に募集した。その過程には、幅広い文化創意産業の人々が参加したのである。

第二、万博期間中、多くの文化創意イベントが見られることが予想できる。例えば、毎日100回以上の文化公演が見られ、中国の演芸の人々に披露の場を提供するだけでなく、世界の文化交流の絶好な舞台ともなる。

同時に、万博は若者、特に子供にとって魅力的とも言える。幼年時代にこのような世界文化と科学技術の盛会が見られるということは、幼い心と創造力にいい刺激となると考えている。