上海万博の会場がもう一つの「浦東」になる

人民日報記者:世界に広まった金融危機は多くの国の実体経済に多大なダメージを与えたが、これは上海万博に影響を及ぼすだろうか。展示規模の縮小を申し出た国があるそうだが、これについてコメントは。

上海万博執行委員会の万季飛副主任:金融危機は確かに上海万博に影響を及ぼすが、それは限られており、万博の成功には支障をきたさないだろうと考えている。第一、上海万博の建設は、上海市の都市改造や産業構造の調整に有利となる。資金のほとんどが、演芸センター、万博の中心となる4つの展示館、展示施設、サービス施設などといった公共施設、黄浦江を通るトンネル、道路、モノレールなどのインフラ施設の建設、住民と工場の立ち退きに投下されている。これらの措置は、上海の持続的発展を促すことができるだろう。万博会場は今後、観光スポットや展示と国際文化交流の中心になり、これも経済成長の維持、内需拡大、構造調整のための重要な動きである。私見では、万博会場は上海のもう一つの「浦東」になるのではと考えている。90年代の浦東の開発は上海経済を振興させ、長江デルタの経済を牽引し、中国全土にも経済効果をもたらしたが、今回の万博も同じような役割を果たすだろう。

出展経費に困る参加国が確かにある

大多数の参加国の展示は経済危機の影響を受けていない。だが、財政収入が減少したため、経費に困り、展示館の規模や着工時間に影響が出る国もある。でも、現時点で、出展を見合わせる参加国や機関は一つもない。諸事情により出展の中止を申し込む国があっても、われわれは理解の意を示したい。そして、主催国として、参加国のコスト削減、効率向上に力を貸し、高水準のサービスを提供するよう心がけている。

上海万博の5つの理念

全国政協常務委員、民主建国会(民建)中央委員会の周漢民副主席:注目されているテーマ「より良い都市、より良い生活」は5つの理念を含んでいる。一つ目は、都市がより良ければ、都市の文化は多様で融和でなければならない。二つ目は、都市の経済発展は継続的なものでなければならない。三つ目は、都市のハイテクは常に民生に恵まれ、適切に利用されなければならない。四つ目は、都市と農村は良好な相互作用を常に持っていなければならない。五つ目は、都市の地域社会は友好型、省エネ型、生態型の区域となるため、絶えず改造されなければならない。

上海万博の投資総額は180億元

MASTV(マカオ):上海万博における支出はいくらだろうか。地方財政と中央財政の比率は。いつまでにそのコストを回収することができるか?

全国政協常務委員、民主建国会(民建)中央委員会の周漢民副主席:上海万博の財政予算は主に2つの部分に分けられている。1、展示施設のインフラ整備、永久的な展示施設の工事。先ほど述べたように、投資総額は180億元となる。2、上海万博の運営費用は106億元である。

われわれの資金源は主に3つの部分からなる。1、政府の財政投資。2、建設債券の発行。3、市場運営による利益。それには2つある。1、上海万博のグローバル協力パートナーである高級スポンサーとプロジェクトスポンサーは上海万博に大きく貢献している。2、チケット発売。一般チケットの価格は160元(2280円)。

上海万博は少なくとも収支ののバランスがとれると信じている。特に指摘したいのは、財政予算が早くも2001年に中央政府から全面的承諾と財政的保証を得ており、これは万博の招致成功の重要な条件の一つとなったことだ。先ほど述べたように、発展途上国の出展を支持するために設置された1億ドルの専用基金が2002年12月3日、上海万博の招致成功直後に財政からの経費として割り当てられた。

米国の上海万博出展、未だ書面的に確認されず

香港大公報の記者:現在の世界経済危機は各国経済に一定の影響を及ぼしている。米国はまだ中国と上海万博出展の協議を結んでいないようだが、それは米国政府の規定により政府の財政で出展できず、スポンサーを見つけなければならないからだ。中国は、米国にスポンサーが見つからないことに対して覚悟できているのか?中国企業や海外華人企業がスポンサーになることは可能か。

上海万博執行委員会の万季飛副主任:米国は出展すると口約束したものの、いまだに書面では確認されていない。しかし、米国パビリオンの準備作業はずっと進められている。政府予算で万博に出展してはいけないという国会の規定があるため、当時のブッシュ政府は仲介を行う非政府機関に米国の出展を依頼した。現在、米国の準備チームは多くの困難を克服し、頑張っているところである。

金融危機の影響により資金調達の面で困難があったが、この問題に対し、オバマ政府が十分な関心を払い重視するよう望んでいる。中国の指導者と在米中国大使も米国出展に対し関心を持っていることを伝えた。

上海万博の主催側として、できるだけ速く書面で米国の出展を確認できるよう努めていく。万博への出展は米国のイメージを示すチャンスだと考えている。

 

「チャイナネット」 2009年3月8日

 

 

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