全人代、「農業の発展と農民の増収」で記者会見

農業部の危朝安副部長

3月12日午前9時から、第11期全国人民代表大会(全人代)第2回会議は「農業の安定した発展と農民の増収維持」について、メディアセンターで取材に応じ、農業部の関連責任者が記者の質問に答えた。チャイナネットが中継した。

中央テレビ記者:

国際金融危機が中国の農業・農村経済に与える影響は深刻化していると見られているが、具体的にどの分野に影響するのか。

危朝安副部長:国際金融危機の拡大につれ、世界の経済成長は速度を落とし、国内の経済成長率も速度を落としている。中国の農業・農村経済発展が受けた影響は日増しに現れている。

1.農産品の価格が全面的に下落している。農業部の測定によると、2008年9月以降、大部分の農産品の価格が以前の上昇を続けている状態から下落の状態に変わった。今年に入り、下落圧力は引き続き高まっている。例えば、2月のもみ、とうもろこしの価格は2008年9月と比較しそれぞれ5.1%と11.5%下落した。豚肉価格は2008年2月(豚肉の価格が最も高い時期)より21.1%下落した。2009年1月は春節の影響を受け、全国の農産品の価格はやや回復したが、春節後には一部の農産品価格は反落している。

2.出稼ぎ労働者の就職が困難である。昨年第4四半期以降、沿海の労働密集型、対外開放型の中小企業が国際金融危機より受けた影響は深刻で、これらの企業の出稼ぎ労働者は春節前に、早めの帰省を余儀なくされた。農業部が最近実施した調査結果にると、帰省した出稼ぎ労働者の人数は出稼ぎ労働者全体の約10%を占めた。そのほかに、就業ポストも大きく減少した。

3.優位性のある農産品の輸出が困難に直面する。輸出額から言うと、野菜は64億.4000万ドルで3.7%増加し、前年同期比増加幅は10.8ポイント縮小した。果物の輸出額は42億3000万ドルで同12.8%増加し、増加幅は38.6ポイント縮小。ジュースの輸出問題は深刻化し、中でもリンゴジュースの輸出額は12億3000万ドルで同7.4%減少、輸出量と輸出額の両方が減少するというかつてない現象に陥った。畜産物の輸出額は43億9000万ドルで同8.5%増加、水産品の輸出額は106億1000万ドルで同8.9%増加し、増加幅はともに縮小している。

4.「郷鎮企業」と農産品加工業の発展問題が深刻になる。国際金融危機が勃発してから、多くの中小規模の「郷鎮企業」と農産品加工企業が生産経営の困難に直面したり、資金不足、操業短縮、利益減少などの現象に陥った。東部沿海地区の対外開放型の「郷鎮企業」が受けた影響はもっと深刻である。特に、欧米市場向けの「郷鎮企業」は、受注額と輸出納品額の増加幅がともに2008年下半期より縮小している。農業部が各省に対し実施した年末予測データの統計によると、全国の「郷鎮企業」の第4四半期の1月当たり平均輸出納品額は2650億元で、昨年より8.9%減少した。2008年の輸出納品額は3兆4900億元で前年比11.4増加、増加幅は7.46ポイント縮小した。

「人民日報」記者

「人民日報」記者:農業部は農民の増収促進において、どんな措置を行うのか?

危朝安副部長:現在と次段階では、農民の増収促進に向け多方面での措置を採らなければならない。

1つ目は、農業生産の安定した発展を図ること。食糧生産を発展させ、強大な畜産業をつくり、特色ある農業の発展に力を入れる。特に園芸業、特殊な養殖業、農村の観光業の発展を重視しなければならない。農民専業協同組合と農業産業化のリーディング企業の発展を支援し、農業の発展、農民の増収を目指す。

2つ目は、農産品価格を合理的水準に保つこと。昨年は食料最低買い付け価格が2度引き上げられ、今年の小麦の最低買い付け価格は13%から15%上昇し、水稲の引き上げ幅は約16%に達した。また、水稲、とうもろこし、大豆、綿花、砂糖を含む主要農産品の備蓄と臨時買付・貯蔵が増加した。優位性の高い農産品の輸出を支持し、多くの手段を用い、農産品の価格安定に努める。

3つ目は、「三農(農村、農業、農民)」への投入を増加させること。政府活動報告の中で、今年、中央財政は「三農」に7161億元を投下することが明確にされた。これは昨年より1206億元多く、中西部地区の農村の公共建設プロジェクトへの投入、食糧生産の多い県の一般的移転支出の拡大、財政の奨励や食糧産業建設プロジェクトのサポート、農業補助金の増加に充てられる。中央財政が予定している今年の補助額は1230億元で、昨年より200億元増加、すでに穀物を栽培する農民に直接補助金と農機具の補助として867億元が支払われている。

4つ目は、農民の就業を促進すること。国務院弁公庁の「出稼ぎ労働者関連の仕事に力を入れる」通達を実施し、農民の帰省後の起業、地方や近隣地区への移動を促進する。「以奨代補(奨励金の支給)」、「以工代賑(救済の代わりに河川工事の仕事を与える)」などの方法、農民が行う農業や農村インフラ建設を計画するなどの多くの措置を通じ、農民の就業を促進する。これは比較的突出している問題と言える。

5つ目は、県域経済の発展、「郷鎮企業」の積極的な発展、農産品加工業の発展加速化、「郷鎮企業」の小都市への導入を行い、農村の第2次、第3次産業を発展させること。県域経済の発展活力を強化し、県域経済を発展させる。

 

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