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マイホームの夢がかなった

 

農村の住宅状況も変わった

 

北京市順義区北小営鎮小湖営村の孫広福さん(中央)の家を訪ねた筆者(右)

現在、中国は依然として、都市と農村の2元体制である。農村の住宅は、農民が自分で資金や材料を用意してから、村当局に農地を住宅用に転用し、住宅を建てる申請をする。農村の土地は集団所有なのだ。筆者は北京郊外や河北省、山東省など北方の農村を訪ねたことがあるが、ほとんどの農家が立派な庭やレンガと瓦づくりの広い住宅を建てていた。日干しレンガを積んで泥やわらを塗りつけただけの昔の粗末な小屋と比べると、まさに雲泥の差である。

うらやましいことに、農民たちは広い庭に野菜や花木を植え、静かで趣のある暮らしをしている。「菊を采る東籬の下、悠然として南山を見る」と詠った陶淵明の詩を思い起こさせる。当然、近代的な生活の影響を受け、多くの農家が都会のように客間をつくり、ソファーやテーブル、テレビ、エアコンなどを置いている。

最近、筆者は北京市近郊農村の順義区北小営鎮小湖営村にある孫広福さんの家を訪ねた。息子と娘は市内で働き、時々帰ってくる。庭には自家栽培の白菜がところ狭しと干してある。四合院の東の廂房は食堂と娯楽室。西の廂房は台所と倉庫、浴室。門のそばに取り付けられたソーラー給湯器からシャワーのお湯が出る。燃料のメタンガスは、村にある牛の牧場に設置されたメタンガスのタンクから引いてくる。毎月わずか1元2角で、クリーンなエネルギーを得ることができるのだ。5部屋ある母屋はすべてガラス窓のある廊下で囲まれていて、居間も客間も冬は暖かく、夏は涼しく、静かで快適である。

「この家は、マグニチュード7の地震にも耐えられるよ」と孫さんが言ったのにはびっくりした。瓦とレンガづくりのこの家は、鉄筋コンクリートで柱と土台、梁をつくっているので地震に強い。孫さんによると、村の3分の1の農家がこうした耐震住宅を建てているという。

江蘇省や浙江省、福建省、広東省などでは、農民は金ができるとまず家を建てる。東部沿海地方を旅すると、別荘のような建物が数多く見られるようになった。西部の農村の住宅は、東部とは少し差がある。

統計によると、2006年末の時点で、全国の農民一人当たりの住宅面積は30.65平米。そのうち上位を占めるのは上海市や浙江省、江蘇省で、上海市は59.99平米、浙江省は57.72平米、江蘇省は40.8平米である。だが西部の甘粛省は19.12平米であり、もっとも狭い青海省はわずか18.53平米しかない。また、貴州省、広西チワン族自治区などに住むミャオ(苗)族やトン(侗)族の集落では、人々は依然として伝統的な木と竹でつくられた「吊脚楼(高床式住宅)」に住んでいる。風通しがよく、湿気が少ないが、火事には弱く、改良が望まれる。

 

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