中華人民共和国が成立してからの60年間、国民の消費がグレードアップするたび一連の新たな経済成長点が生み出されてきた。それでは今後、どのような分野が経済の新成長点になるのだろうか。中国発展研究基金会の湯敏副秘書長(副事務局長)は取材に応える中で、スポーツ、旅行、文化に関する消費が中国人の未来の消費の中心になるとの見方を示した。中新網が伝えた。
湯副秘書長は次のように述べた。
新中国が成立してからの60年間に、国民の生活水準は大幅に改善されたが、現在の消費構造にはなお不合理な点や不完全な部分があり、収入に対する消費支出の割合がことのほか低い。世界では一般的に収入に対する消費支出の割合が70%前後に上り、先進国ではさらに高い割合となるが、中国は現在わずか40%だ。ここから、中国には内需拡大でやるべきことがたくさんあるということがわかる。
政府は物質消費を推進するだけでなく、文化・スポーツ消費の推進にも力を注ぐべきであり、スポーツ、旅行、文化などの各方面での消費によって産業構造のグレードアップを促進し、経済成長を達成するべきだ。
米国には「平均寿命」という指標のみならず、「健康寿命」という指標がある。これは人が生涯の中でどれくらいの時間を健康な状態で過ごせるかを示すものだ。米国はスポーツ消費を積極的に推進し、スポーツ活動のためにより多くの場所を提供し、スポーツ消費関連企業を対象に税金の減免などの優遇政策を打ち出している。スポーツ消費は国民の体を強く健康にし、心身を楽しませるだけでなく、スポーツサービス業の発展にも結びつく。
旅行消費の影響が中国で現れ始めている。世界観光機関(UNWTO)がまとめた統計によると、1990年初頭に観光業は世界最大の産業となり、売上高が石油産業や軍需産業を超えた。中国人の旅行消費は爆発的に増加し、中国は今や世界4位の旅行大国だ。
内需を通じて経済の高度成長を支えることは可能だ。実現できるかどうかは、中国経済の構造改革の進み具合によって決まる。中国政府はすでに国民の所得分配システムと社会保障システムの改善に力を注いでいる。
「人民網日本語版」2009年9月2日
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