新中国成立60年の発展を反映する10の成果  
 

 

06年5月、完成した三峡ダムの光景

国家統計局は7日、中華人民共和国建国60周年のシリーズ報告の第一部を発表した。GDPの増加や寿命の延長、貧困率の低下など一連のデータが示しているのは、中国が建国60年以来、旧世界の廃墟のなかから立ち上がり、中国の特色のある社会主義を取り、生気と活力に満ちた社会主義国家として世界の東方にそびえ立つようになった道のりだ。「新華網」が伝えた。

(1)GDP平均年間成長率8.1% 低所得国から中等低所得国へ

国内総生産(GDP)は、経済規模をはかる中心的な指標となっている。国家統計局の報告によると、1952年から2008年まで、中国のGDPは、価格変動の影響を除いて、年間平均8.1%で成長してきた。GDPは77倍になり、世界3位に躍進した。

中国の08年のGDPは3兆8600億ドルで、米国の27.2%、日本の78.6%にのぼる。同年の一人当たりのGDPは2770ドル。世界銀行の基準に照らすと、長いあいだ低所得国家にとどまっていた中国は、中等低所得国家へとランクアップしたことになる。

(2)住民貯蓄が2万5千倍に 「貧困」から「小康」へ

経済発展の最終目的は人々に利益を与えることだ。国家統計局の報告によると、中国建国当時、人々は貧困ラインぎりぎりにいた。1978年にいたっても衣食が足りない状態だったが、2000年には小康(ややゆとりのある)レベルを実現した。

中国都市部の住民の可処分所得は1949年の100元足らずから2008年には1万5781元に増加した。農村部の住民の純収入は44元から4761元にまで拡大した。08年末の都市部と農村部の住民の貯蓄額残高は21兆8千億元で、1952年末の2万5千倍に達した。

全国農村の絶対貧困人口は1978年、人口の4分の1を占める約2億5千万人に達していた。この数字は07年には、1479万人にまで減少した。貧困発生率は1.6%にまで下がった。国連と世界銀行によると、人類がここ25年で貧困者支援で上げてきた成果の3分の2は中国によるものだという。

07年10月、収穫したトウモロコシを手にした銀川市の農民

(3)財政収入は985倍に 政府のマクロ調整能力が向上

財政収入は、経済と社会の発展を調整するための政府の重要な土台となる。1950年に62億元にすぎなかった国家財政収入は、1978年には1132億元にのぼり、1999年には1兆1444億元に達した。21世紀に入ってからは飛躍的増加の段階に入り、08年には6兆1317億元に達し、1950年の985倍となった。

国家統計局の報告によると、国家財政収入の急速な増加に伴い、経済や社会の発展に対する政府の調整能力は日増しに高まり、力を集中させて大事業をやり遂げる社会主義の優位性が発揮されている。

(4)食糧生産は3.7倍に 食糧問題解決と工業発展の土台に

世界で最も人口の多い中国では、食糧問題や農業生産は大きな重要性を占めている。2008年の中国の食糧生産は1949年の3.7倍に達し、5億2871万トンを記録した。1952年には339万トンに過ぎなかった豚・牛・羊の食肉生産量は5337万トンに達した。

中国の農業生産環境は不断に改善している。中国の有効灌漑(かんがい)面積は1952年の1966万ヘクタールから2008年には5万8472万ヘクタールに拡大した。農業機械の総動力は18万キロワットから8億2190万キロワットに増えた。

国家統計局の報告によると、中国の農産品の供給は世界5分の1の人口の食糧問題を解決しただけでなく、工業化プロセスを支える重要な力となった。

(5)粗鋼年産が16万トンから5億トンに 世界の製造業大国へ

工業は近代化の根幹となる。国家統計局の報告によると、中国の工業の急速な発展は、基本的な生活必需品の不足問題を解決しただけでなく、中国を世界の製造業大国に押し上げた。

中国の主要工業品の生産量は大幅に増加した。2008年と1949年を比べると、粗鋼生産量は16万トンから5億92万トンに増えた。紡績糸生産量は32万7千トンから2149万トとなった。中国は、初級工業品を製造する発展途上国から世界の製造業大国へと成長した。国連の資料によると、中国製造業の付加価値額の世界シェアは1995年の5.1%から2007年の11.4%に上がった。

02年4月、中国で玩具の商談をするインド人ビジネスマン

(6)対外貿易が2266倍に 半閉鎖状態から全面的開放へ

開放してこそ発展を実現することができる。国家統計局の報告によると、中国は建国当時、ほとんど閉鎖状態にあった。改革開放後は対外開放路線を取り、海外からの導入を積極的に進め、海外進出を実現するまでになった。中国は現在、世界第三の対外貿易国へと躍進している。

中国の輸出入総額は1950年の11億3千万ドルから2008年の2兆5616億ドルにまで増加した。改革開放以来の外資導入額(実行ベース)は8526億ドルに達した。海外進出戦略も順調に実施され、08年の対外直接投資額は407億ドルとなっている。。

長期的に外貨が足りなかった中国は現在、世界第一の外貨準備国となっている。1952年の外貨準備は1億3900万ドルにすぎなかったが、この数字は2008年には1兆9460億ドルに達した。

(7)都市化率が10.6%から45.7%に 都市と農村の協調発展へ

都市と農村との統一発展は国家発展戦略中の重大問題となっている。国家統計局の報告によると、中国の都市・農村構造は、都市と農村との分割管理から都市と農村との統一的な協調発展へと転換している。

中国建国当初、中国の都市化レベルは低く、都市部の人口が全体に占める割合は0.6%にすぎず、都市と農村とははっきりとした分割状態にあった。都市化の発展は改革開放で加速し、都市部の人口が全体に占める割合は08年には45.7%に上がった。都市部と農村部との経済・社会の発展一体化という局面が形成されている。

(8)非識字率が6.67%に 教育普及が中等所得国レベルに

教育は、国家の未来にかかわる重大事業だ。中国建国当初、全人口の80%以上は非識字者だった。学齢児童の入学率は20%前後にすぎなかった。党と政府の重視を受け、中国の教育普及レベルは現在、中等所得国の平均レベルに達している。

08年の中国の高等教育(大学レベル)の入学率は23.3%にのぼった。高校の入学率は74%、中学の入学率は98.5%、小学校の入学率は99.5%に達した。非識字率は6.67%にまで下がった。同年の高校段階の在校生数は4546万人、中等職業教育の在校生は2057万人だった。

07年1月、米国の展覧会に出展されたハイアール製のフラットテレビ

(9)研究開発費はGDPの1.52% 科学技術が大きく発展

科学技術は、経済・社会の発展を支えるパワーとなる。国家統計局の報告によると、中国建国以来、科学技術への投資は不断に増加し、科技事業は不断に成果を上げてきた。研究と実験の発展のために中国で使われた費用は08年、4570億元に達した。GDPに占める割合は1991年より 0.87ポイント高まり、1.52%にのぼった。

科学技術の成果も次々と上がっている。改革開放前には、原子爆弾や水素爆弾の開発に成功し、人工衛星の打ち上げにも成功した。ここ最近では、有人宇宙船「神舟七号」の飛行に成功し、中国の宇宙技術の発展にとっての大きなニュースとなった。スーパーハイブリッド米の開発も進み、中国のコメ生産量を高め、食糧の安全保障に大きな役割を果たしている。

(10)国民の平均寿命が35歳から73歳に 公共衛生システムがほぼ形成

健康は、人間が全面的に発展するための土台となる。国家統計局の報告によると、中国建国当初、農村では医者や薬が不足し、人々の健康レベルは低かった。だが建国60年以来、中国の都市部と農村部をカバーする公共衛生システムは徐々に整い、人々の健康レベルは不断に上がってきた。

中国人1000人当たりの病院・診療所のベッド数は08年末、発展途上国の中等高レベルの2.8床に達した。この数字は1949年当時、0.15床に過ぎなかった。国民の平均寿命も1949年の35歳から05年の73歳に上がり、同等の経済発展レベルの国ではトップレベルにある。

 

 「人民網日本語版」2009年9月8日

 

 
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