10月1日、山西省昔陽県大寨村では早朝、村の入り口に国旗を掲げ、赤い灯篭をつるした。村の共産党委員会主任、賈春生さんは、村の親しい人々と一緒に党委員会の会議室で国慶節の軍事パレードの現場中継テレビ番組を見ていた。賈春生さんは、「新中国がなければ、大寨の名声が広く知られることはなかった。新中国の60年の発展と開放がなければ、今日、大寨の人々の良好な状態はなかった」と言う。

大寨は、中国の山西省のごく普通の山村である。1960~70年代にかけて大寨の人々は、自力更生、不撓不屈の精神により、痩せた土地を高生産の良田に変え、悪劣な自然条件と闘う人々の規範となり、毛沢東主席の賞賛を受けた。その後、「農業は大寨に学ぼう」の運動が中国全土を席巻し、すべての人がその名を知るようになった。

「まさに勇ましく、逞しい！」「ほんとうに堂々たるものだ」軍事パレードを見る農民たちは熱心に語りあい、時には拍手も沸いた。80歳の宋立英さんは、前列に座り、わき目もふらずにじっと見つめている。「主人、賈進は、1966年に天安門にいき、国慶節の祝賀式典を参観したことがあります。生前、いつも私にその様子を話していましたが、いまこうして見ると、私たちの国家は、当時よりもいったいどのくらい強大になったことでしょう！」と言う。

大寨は実際のところは、それほど広くなく、面積は2平方キロメートルに満たない。人口も多くはなく、総人口約520人である。けれど、2008年、大寨村の村民の平均純収入は、１万元を超えており、同年の全国農村人口の平均純収入の倍余りである。大寨の発展も、時代の進歩に従っている。1992年以来、大寨村民は、党村委員会の指導のもと、企業を興し、衣服の製造、コンクリート、石炭、運送、酒の醸造などの各種会社を成立させ、経営の道を積極的に切り開き、発展させた。また、国家の一連の農民優遇、農民支持の政策の発令により、農村の全貌には著しい変化が生じた。宋立英さんは、「今では農民は、農業税が不要になり、穀物の上納もなくなりました。農民の生活はどんどん良くなり、国は富み、民が栄える、というそのものです」と言う。

大寨の展覧館のなかで、記者は石家荘からやってきた楊建春さんに会った。楊さんは特別に娘さんを大寨に連れてきていた。「私は大学入試が復活した年の第一回の大学生です。新中国の成立後、特に「改革・開放」以来の巨大な変化と成果が深く感じられます。大寨に学んでいた当時、私は農村で労働していました。今日、大寨に来てみると、往時がありありと目の前によみがえってきます。生活は豊かになりました。けれど、私たちは大寨の不撓不屈の精神を学ばなければなりません」と楊さんは語る。(文＝高風　李建平)

人民中国インターネット版　2009年10月2日