新中国成立60周年の祝賀行事に招かれた折に私がもっとも感動したのは海軍女子水兵隊352名の見事なパレードであった。この隊列が眼前を通過するときの一系乱れぬ整然とした行進にこれが人の為す集団の業かと感動した。
純白の水兵服に身を固め、背丈、体形を揃え、足の運びの見事さに急ぎシャッターを切った。帰国後写真を拡大するとますます迫力が増やした。
友人に見せると誰もが女性とは気がつかない。20歳前後の乙女が愛国の一端を自身の青春にかけて2度と来ない新中国60周年の慶事に胸を張り未来に向かい誇らしげに行進する。熱いものがこみ上げてきた。使命と自覚がなければ出来ることではない。
日本の作家・吉川英治の小説の中に「菊作り、菊見るときは陰の人」とあるがこの行進の陰に幾多の努力と指導、訓練に従事した人のご苦労が偲ばれる。
天安門の楼上で、胡錦濤主席もさかんに拍手を送れていた。
新中国成立60年、幾多の苦節を乗り超え尽力されながら世を去ったかたがたはさぞかし涙を流し喜んでいるに違いない。
「先人は木を植え、後人は木陰で休む」通り、今の繁栄を享受し更に次の時代の人のために努力するエネルギーを十分に感じた行進であった。(文=三津木俊幸)
人民中国インターネット版 2009年10月25日
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