トマトのふるさとは南米で、百年以上も前に中国に伝わった。トマトを見た中国北方の人々は柿の姿に似ているとし、トマトを「西紅柿」と呼ぶようになった。一方、南方の人々は、茄子に似ているとし、「番茄」と呼んだ。「西」や「番」という字は、海外から伝来してきたことを指している。
いつのころか分からないが、中国人は「トマトと卵の炒めもの」を発明した。作り方が簡単で、味もおいしく、見た目もきれいなので、あっという間に全国各地に広まった。今では、中国の食卓には欠かせない一品であり、国民的なメニューだ。
トマトは加熱すると酸味を帯び、食欲を増進させる。また、豊富なカロチンやさまざまな栄養素が含まれており、特にビタミンPは、野菜の中でもナンバーワンの含有量を誇る。専門家によれば、トマトの栄養成分は加熱することでさらに吸収しやすくなるそうだ。食欲が衰える暑い夏に、おすすめの一品である。
廖八鳴 PROFILE |
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四川生まれの北京育ち。幼い頃から料理を作るのが好きで、四川料理の特級調理師について学んだこともある。1993年日本へ渡り、大学で中国語と中国文化を教えるかたわら、現在、日本の食材で本格的な中国料理を再現することを試みている。 |
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