中川美術館館長　中川健造＝文・写真

実際の大きさの10分の1で作成した中川美術館天安門と、華やかに咲く日本の桜の組み合わせは、まさに瑞兆のシンボルである。著者近影

昨年（2008年8月）には、北京オリンピックが盛大に開催された。世界が注目する中で、比類のない素晴らしい開会式がスタートし、日本中の人々もアッと驚いてテレビの前に釘付けになったに違いない。深夜までテレビの前で息をのんで開会式を凝視していたことだろう。墨と筆の文化や、紙、活版印刷術、火薬、羅針盤の発明など世界に誇る中国の四大発明を印象付ける開会式の演出が成されていた。開会式は、まさに「文化の金メダル」第一号といえる。

中川美術館には天安門がある。これは、10年前に設置したもので、北京･天安門の十分の一の大きさである。この前に立つと、天安門で建国が高らかに宣言された当時が、よみがえってくるようだ。来館者のみなさんは精巧なつくりに驚き、中川美術館天安門の前で記念写真を撮って大切にしている方も多い。

中川美術館も、中国美術を紹介して開館20周年を迎える。中国の絵画、版画、書道作品が充実し、また貴重な中国の陶磁器などの展示を通し、多くの美術愛好家に楽しんでいただいている。

天球瓶 中国皇帝のシンボルである5本指を持つ龍が紅色で描かれ、雲が青花色で描かれている景徳鎮窯の名品

地球儀 現存する地球儀でもっとも古いものの1つ。金を施した貴重な文物である	地動儀 地震が発生したとき、揺れを感知してその方向にある玉が下にあるカエルの口の中に落ちて、地震が起きた方向を知らせる。中国の歴史上珍しい地動儀である

中川美術館は小さい美術館であるが、幸い多くの中国美術愛好者の方々の支持を受け、20周年を迎えることができた。これを記念して、中川美術館では、9月9日から『中国美の至宝名品展』を開催することになった。人民中国雑誌社の協力の下、陶磁器をはじめとする貴重な文物などを展示し、中国の素晴らしい伝統と偉大な文化に触れていただきたいと今から興奮している。

世界には、メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、黄河文明という四大文明があるが、その中で現在まで続いて文明を誇っているのは、中国だけである。世界に誇る中国文化の精華である文物を紹介できることに大変な名誉を感じている。

中華人民共和国成立60周年、中川美術館開館20周年を記念しての展覧会。会期中にぜひともご来館いただきたい。

人民中国インターネット版　2009年11月