少し心配はあるが、中国の万博に期待大  
 

文・写真 岡田紘幸

2009年3月、「日本と中国、若者の未来の架け橋へ」をテーマに、日中国際親善協会中部支部という団体を立ち上げました。本部は東京に置き、中部の愛称は「チャイナル!日本」にしました。2010年の上海万博を迎えるため、「チャイナル!日本」は、今年、「上海万博にエールを!」を合言葉に、交流会や勉強会などいろんな企画を行っています。

金城学院大学教授の王文亮先生
今回のインタビューは、今秋に講演会のスピーカーとして話を伺い、ご縁を頂き研究室を訪問。金城学院大学教授の王文亮先生に、愛知万博の思い出話や上海への期待を聞きました。

岡田:以前のスピーチは勉強になりました。早速ですが、愛知万博の思い出はありますか?

王:当時、愛知万博の中国館パビリオンは、私にとって少し残念な思い出です。スペースは広く、物は置いてあるのですが、あまり魅力を感じられませんでした。韓国やアメリカ館と比較しても。来年の上海万博はどうなるのか、心配です。理由は2点。1つ目は、形(外観)だけではなく中身が重要であること。そこで、お客様に対してどんなサービスを提供できるか、5000年の中国の歴史をどう表現できるかということです。

2つ目はサービスです。愛知万博へ私はのべ12回行きましたが、飽きることはありませんでした。なぜかと考えますと、「専属スタッフ」「ボランティアスタッフ」それぞれの懸命な姿に感動したことを覚えています。スタッフが懸命に働き、先導する姿がないと、うまくいかないでしょう。また、愛知は全体的な運営体制も徹底していましたよね。夜に総括の会を毎晩行い、問題があれば改善を、翌朝には間に合うように徹夜覚悟で準備を繰り返していた。この仕組みや決断を、上海でもしっかり実践できるのでしょうか。

岡田:なるほど。上海万博に向けて、思いはたくさんありますね。

王:はい。他に大事な問題は、昨年の北京オリンピックは成功して終わった、と思いますが…上海万博は期間がもっと長く、来場者のコントロールや夏の暑さ対策、医療面のサポートは万全にできるのでしょうか…。

さらに、会場スタッフの声をどうくみ取って運営されるのか、などなど。気になることは本当にたくさんあります。今話したことが、無用な心配になることを願って。結局、実際に行ってみないとわかりませんから。来年の万博開幕は楽しみですよ。

岡田:ありがとうございました。

王文亮略歴

 中国江西省広豊県の農村部生まれ。中山大学大学院哲学研究科修士課程、大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程を修了(文学博士)し、長崎純心大学より論文博士号(学術・福祉)を授与。中国社会科学院、九州看護福祉大学を経て、名古屋へ。現在、金城学院大学現代文化学部福祉社会学科にて社会福祉や日中比較を研究。

 

人民中国インターネット版 2009年11月30日

 

 
 
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