秋の出会い、琴の合奏
張杭 広東外国語・対外貿易大学
あの秋の出会いは、心に刻んだほど忘れられませんでした。
「ようこそ、秋の出会い、琴の合奏にいらっしゃいました。本日、北海道の上野先生は本校にお越しくださいまして、誠にありがとうございます。」と私は司会者として琴の演奏会の開幕を宣言しました。そして、2000年以上の歴史を持つ中国の古い琴である古筝も簡単に紹介しました。
セッションの始めに、うちの学生たちが古筝で「彝族舞曲」という曲を演奏しました。軽快なリズムで、愛し合う男女が情熱的に踊る情景を描き、少数民族の楽しい生活を表しています。最後の音が終わった時に、上野先生は笑顔で「中国の古筝曲はすばらしいですね」とほめてくださいました。
21弦の古筝が登場した後、日本の13弦の琴はみんなの目に入りました。古筝と比べると、日本の琴はあまり長くないです。それに、琴柱の位置もそれぞれ違います。実は、琴は奈良時代に中国から伝わったとは言え、伝来してから、自国の文化と合わせ、「生田流」と「山田流」の二大流派がある日本独特な楽器に発展してきました。日本の琴を紹介すると同時に、「私は琴が大好きです。16歳からずっとお琴を弾き続けてきました」と上野先生が微笑んで自己紹介もしてくださいました。彼女が50歳に近いのですが、素直で、人生に対する情熱に満ちた印象は私たちの心に残りました。その後、「源氏物語」の「夕顔」を歌いながら、琴を弾いてくださいました。デリケートな音色で、学生たちの心をまさに神秘的な世界へと誘い、夕顔の寂しい気持ちを感じさせたのです。演奏会の雰囲気は悲しいものになりました。その響きが空気中に消えた瞬間、その音楽に心を惹かれた学生たちは熱烈な拍手で感動した気持ちを表しました。
次には、教室の中には古筝と琴の音が交替に響きました。まるで古筝と琴が出会って、嬉しくお喋りをしているようでした。楽しい曲でも、悲しい曲でも、私たちも上野先生も自分の気持ちを込めて、古筝と琴の弦を弾いていました。「最後には、みんな一緒に『さくら』を歌いませんか?」と上野先生は提案しました。そこで、古筝と琴の美しいメロディーとともに、学生全員一緒にその歌を歌いました。「さくら、さくら」と。
後の懇親会で私たちは興味深く思い、先生とずっと古筝と琴の違いについて討論し、話が弾んですぐに親しくなりました。中国の曲と違い、日本の曲は「ものの哀れ」という古典の美意識観に影響され、悲しい曲が多いと勉強になりました。そして、日本の琴は耳をこらし、一つ一つ繊細な音の変化と余韻を賞玩するために、音色の洗練、追求に力が注がれた特徴があると教えていただきました。夜、別れた時に、上野先生は「自分の可能性を信じて、自分らしい人生を送ってね」と人生の先生として励ましてくださいました。 これは、中国の古筝と日本の琴の出会いだけではなく、音楽を通じての、私たちと上野先生との出会いと言えるでしょう。茶道の中で、「一期一会」という言葉をよく耳にします。その日、音楽の世界でも誠にその通りだと身をもってしみじみと痛感しました。どんな曲を弾いても、どんな人と出会っても、一生に一度しかないものとして、真心を込めて、相手に対して演奏しなくてはいけないと思われます。だからこそ、音楽は心と心の間に架け橋をかけることができるのではないでしょうか。 それから、一度も上野先生と会うチャンスがなかったのですが、彼女の事と琴の響きを思うと、心に暖かい気持ちが出てきます。一日だけの交流でも、もう人生の宝物のような思い出になりました。その秋の出会い、そして琴の合奏でした。
創作におけるインスピレーション
なぜこの「秋の出会い、琴の合奏」を書くか、この演奏会は、今まで日本を感知する経験の中で、一番印象印象深い思い出からのである。今でも、あの「一期一会」の出会いを思うと、心に暖かい気持ちが出てきます。
一番の理由は私はそのような中日文化交流活動に参加することによって、身をもって、文化交流の意義、音楽の魅力さを感じさせましたのである。そして、演奏会の後、もし、素直な気持ちを込めて、演奏すれば、音楽は国境を越えて、心と心の間で架け橋を築くことができると思うようになりました。
もう一つの動機はあの演奏会をきっかけとして、今は中国の古筝を学び続けていると同時に、中国の先生からすこし日本の琴を勉強していることである。私にとって、琴の響きによって、生活に豊かにさせることができるのは全部あの演奏会のお陰です。将来、もしチャンスがあったら、日本人に古筝を教えたいと考えています。音楽を通じて、中日友好交流を続けていくことを願っているからである。
受賞の感想
まず、今度の2009年笹川杯「日本を感知する」作文コンクールを開催した関係者に心より御礼を申し上げます。このような素晴らしいプラットフォームを提供してください、誠にありがとうございます。
次に、私の文章を直してもらったり、いろいろな意見を指導したりした学校の先生にも感謝の気持ちを申し上げたいと思っております。
私自身にとって、今度の優秀賞をいただき、大変光栄に思っております。一年生の時、成績がトップではありませんでしたが、大学の三年間で努力を諦めずに、いろいろな経験を重ねて、今もう自分の日本語の能力に自信を持つようになりました。この場を借りて、ずっと私の勉強を支えてくれた家族にも感謝の気持ちを表したいと思っております。
これから、今度の受賞することにきっかけとして、もっとがんばって日本語を勉強しようとします。
はい、以上です。
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