文・写真=王浩
雲南省昆明市の南部に位置する滇池は、雲南省最大の湖である。湖水の海抜は、1886メートル、総面積は、300平方キロメートルを超え、湖の周囲には山並みが連なり、山水の美しさは、「高原の真珠」と称えられてきた。
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滇池の周囲に植樹する労働者たち |
滇池について語る昆明の人々は誇らしげである。1970年代以降、都市の発展と人口の増加につれ、滇池の水質は次第に汚染され、特に80年代以降には、水質の富栄養化が深刻になった。滇池の汚染処理は各界の広く注目するところとなり、2001年西部大開発の戦略が実施されると、西部の環境保護のため中国政府はエリア内の河川に対し、重点的に対策を講じ、滇池もその一つとなった。今年は西部大開発の10周年にあたり、滇池の汚染処理も一定の効果をあげている。
滇池の付近には、五甲塘湿地公園がある。敷地内にはアシが茂り、水面が光り、サギやガンがふいに飛び交う。責任者の紹介によれば、五甲塘湿地公園は、92.8ヘクタールであり、滇池の水と、生態保護、科学研究を一体化させた湿地公園である。現在では、湿地を通し、汚染水源に対して浄化を進めるのは、国際的に広く認められた生態汚水処理の方法の一つである。昆明市区を流れる姚安河と蝦壩河は、五甲塘湿地を経る段階で、湿地によって河水のろ過、浄化が行われ、その後の水が滇池に流入する。
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五甲塘湿地公園の一角 |
湿地公園には水鳥が多く飛び交う |
昆明市発展・改革委員会の豆勁鳴副主任の紹介によれば、五甲塘のような湿地公園は、昆明にほかに数カ所ある。それらは、滇池の浄化にすでに重要な役割を果たしている。
また、豆氏によれば、昆明市政府は、滇池の汚染処理を非常に重視しており、十年来、すでに94億元余りの資金を投入している。人工湿地公園などの生態的な方法のほか、政府は多くのほかの手段を用いている。例えば、滇池周辺の重点汚染企業に対し集中的な処置を施すほか、湖の付近での家畜・家禽類の飼育を禁止している。また、政府は市内を流れる36の河川に対し、集中的に処理を行い、滇池に流れ込む水質を改善している。さらに政府は、技術的手段を用いて、滇池の汚染源を絶ち、あわせて市民に対し、無リン洗剤を使うよう奨励、環境保護を意識した生産、生活方式を提唱している。豆氏は、「十年来、多くの多様な措置により、滇池の汚染は、すでに有効に抑えられ、水質汚染物は減少しています。日本の琵琶湖の汚染処理と同じく、湖水汚染は長期にわたり、しかも複雑なプロジェクトです。けれど、昆明の汚染処理政策の堅持により、滇池の水質は明らかに改善され得ると信じています」と語る。
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滇池に流入する宝象河 |
取材を受ける豆勁鳴氏(右) |
雲南では、滇池と同じような高原の湖はまだほかに数箇所あり、西部大開発の政策実施により、湖の処理プロジェクトは次第に推進され、滇池と同じく、高原の真珠たちは、輝きだすことだろう。
人民中国インターネット版 2009年12月22日
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