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低所得・高学歴の青年と中年、全人代に最も注目 人民網は現在、「誰が全人代に関心を寄せているのか」と題したアンケート調査を行っている。11日現在、全人代に関心を寄せているネットユーザーの年齢層は19歳から50歳までの青年ないし中年が89%で最も多い。学歴については中等専門学校卒から大学卒までの高学歴者が55%で最多となっている。所得は2千元以下の低所得者が56%で最多。ネットユーザーの書き込みによると、低所得かつ高学歴の青年ないし中年にとって、就職難、住宅価格の高騰、医療問題などが関心の的になっているという。 ▽就業問題 新卒者が注目--起業の難しさと雇用における女性差別 2008年に始まった金融危機の影響はいまだ覚めやらず、大学新卒者からは就職難や起業の難しさ、雇用における女性差別などを訴える声が多く聞かれた。全人代が就業という国民生活に関わる重大な問題に最も大きな関心を示し、就職難の解消に向けて対策をはかることを、新卒者たちは求めている。ネットユーザーのコメントは以下の通り。 全人代に毎年、関心を寄せている。農村に住む大学生で、卒業と同時に失業者になった。政府は起業を奨励しているが、起業しようにも元手がない。 大学院生の就職も今は問題だ。特に文系の学生はどこに活路を見出せばいいのか途方に暮れている。 現在の企業は雇用の際、女性を差別している。いつになったら、差別がなくなるのか。どうして平等に扱われないのか。政府が状況の改善に向け、効果的な措置を講じてくれることに期待。 ▽不動産価格の高騰 未婚族が注目--安定ではなく抑制 保障性住宅には上からの政策も必要 住宅価格は依然としてネットユーザーの注目を集める話題だ。「住宅価格の高止まりが深刻な社会問題を多く誘発している。政府が効果的な政策を打ち出し、価格高騰に歯止めをかけることを期待する。住宅価格と所得が合理的な比率にならなければ、消費することはできない。健全な経済運営には消費システムの確立が不可欠だ」というのが多くのネットユーザーに共通する意見だ。ネットユーザーのコメントは以下の通り。 現在の住宅価格に必要なのは、安定や過熱の抑制ではなく、適切な範囲内で価格の引き下げを行い、一般庶民の所得に見合った水準にすること。それと同時に、自分が住むために住宅を購入し、ローン返済に追われる身となった人を対象に、国が利子補給を行うなど一定の補助を提供する必要がある。その資金はどこから来るかというと、成金の開発業者と巨額の土地譲渡金からだ。 現在、「80後(80年代生まれの若者)」、「90後(90年代生まれの若者)」の大部分は住宅を買おうとしている。一家2世代、ひいては3世代分の所得を住宅の購入に注ぎ込むわけで、その他の消費にまわすお金など微塵もない。住宅価格の引き下げは必至で、初めて住宅購入する際のローン金利も下げるべき。 ▽医療問題 あらゆる人が注目--医療保険の給付水準の向上と無料定期診断の実施 低所得の青年・中年のうち、どの年齢層からも注目されているのが医療問題だ。医療保険の給付水準の向上や、医療に対する公共投資の増加、基本医療の保障を望んでいる。大病を患ったが、治療するお金がなく、一家が不幸になるというような悲劇の防止を強く求めている。全国無料の定期診断を実施し、早期発見、早期治療を実現することを提案する声もあった。ネットユーザーのコメントは以下の通り。 くすり代と検査費に対して、医療保険の給付水準が低すぎる。治療に1年2万元(日本円で約26万円)かかる。保険で清算できるのは8千元(約10万4千円)足らず。毎年、多くの保険料を払っているのに、この比率は低すぎる。もし大病にかかったら、どうしろと言うのだ。大病のことを考えると、医療保険は余りにも頼りない。自分の周りでも、医療費が払えないために悲劇を迎えたという話をたくさん聞いているので、大病を本当に心配している。 医療改革は全国無料の定期診断から始めるべき。それでこそ、病気を予防することができる。依然として、大部分の人が経済的理由のため、治療を受けられない状況にある。これは医療改革の趣旨に合致するものではないし、政府が望む結果でもない。
「人民網日本語版」2010年3月14日
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