紫陶はこうしてつくられる
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生地の整形 |
紫陶のつくり方は、6つの工程から成っている。
陶土づくり
採取してきた五彩の陶土を色によって分け、積み上げて日に晒して乾かし、砕いて粉末にする。篩にかけて夾雑物を取り除き、つくる陶器によって異なる色の粉末を配合し、甕に入れ、水を注ぎ、液状の陶土をつくる。これを5、6回、攪拌して清浄した後、甕の中に約一週間、ねかしておく。すると液状の陶土は油脂のようになる。
轆轤引き
轆轤の上に載せ、轆轤を引いて手で陶器の形をつくる。ここが全過程で一番重要な部分である。同じ形の器でも、品格があるかないか、おおらかかこせこせしているかは、轆轤引きの際の微妙な差によって生ずる。だから轆轤を引くときは、心を正し、目でねらいを定め、手はしっかりと安定し、胸に成算がなければならない。
絵付け
紫陶に描かれる書画は、落ち着いた、あっさりとした上品さで見る人と心を通わせる。紙に書いたように筆墨の味を保ちながらも、さまざまな湾曲や湿り気を帯びた状態の生地の特性に配慮しなければならない。絵を描くときでも文字を書くときでも、肘を宙に浮かせて筆を使わなければならない。そのためにはしっかりした技術の基礎が必要である。
彫刻
生地に書画を描いた後、彫刻職人はすぐに墨蹟に沿って彫刻しなければならない。紫陶を彫る竹製の彫刻刀で、たちまちおもしろい造形が次々に姿を現す。彫刻が終わるとさらに生地を修正し、陶器の底に商標が押され、数日間、自然乾燥させる。
窯焼き
陶器の成否は、陶工が火加減を知り、それをコントロールできるかどうかによって決まる。「7分は人の力、3分は火」と言われ、うまく焼けなければ、それまでの努力が水の泡になる。建水の紫陶は、釉薬をかけないので、器は烈火の中で特異な窯変を起こす。窯変は神秘で捉え難く、滅多に得られない逸品ができることもよくある。碗窯村の伝統的な窯焼きの方法では、合格率は70%以下だったが、ここ数年、プロパンガスを使うようになり、合格率は95%以上に達するようになった。
研磨
窯から出たばかりの紫陶は、入念に磨きをかけてはじめて「鏡の如く明るい」陶器となる。しかし、高温で焼かれた陶質は鉄のように硬く、人の手で磨きかける作業は非常に辛い仕事である。まず粗い砂でざっと磨き、それから細かい砂で磨き、さらに油砥石で表面を磨き、最後に油脂で陶器全体をぬぐい、油脂を浸透させる。
人民中国板ーネット版
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