<玉樹地震特集> 中国の救援活動の特色を体現

文=巫林楓

昨年5月12日に発生した四川大地震により中国人にもたらされた傷がまだ癒えぬなか、4月14日、青海省玉樹にマグニチュード7.1の強震が発生した。災害に対し、社会各界は即座に対策をとっている。

地震の発生後、胡錦涛・国家主席は外国訪問を切り上げ中国に戻り、温家宝・国務院総理は、即座に被災地に赴いた。彼らは被災地の人々に対し心を痛め、全力の救援活動を求め、あらゆる手段を尽くして被災民を救う、「一切の対価を惜しまない救援」を指示した。

人民解放軍、武装警察部隊は、即座に被災地へ要員を派遣した。中国赤十字会は緊急に活動を開始し、広東、福建、台湾などの消防救援部隊は即時に玉樹に赴いた。大地震のもたらした被害からようやく抜け出した四川の人々は、もっとも早い救援の力となり、わずか8時間後に救援物資を携えた第一号の救援部隊となって被災地に姿を現した。四川大地震の救援活動を経て、玉樹の地震救援はさらに迅速で秩序があり全面的なものになっている。

広大な国土をもつ中国では、自然災害が頻発し、地震もその一つである。1900年から1996年にかけて、中国大陸部のみの統計でも、マグニチュード5以上の地震が1992回派生、平均毎年20.8回、マグニチュード7以上の地震は70回、平均1年4ヶ月に1回発生している。20世紀以来、全地球において発生したマグニチュード7以上の強震は中国においてその35%が発生しており、8.5以上の巨大地震のうちその2回が中国において発生している。

近年の地震救援活動には中国社会の幾つかの特色がみられる。

まず、中国の特殊な体制により、政府は全面的に各方面の力を総動員することができ、もっとも迅速で、もっとも優れた方式を以って、力を配分し、救援活動に注ぐことができる。玉樹地震の発生後、国はすぐに一級対策案を発令、救援部隊を迅速に組織して被災地に派遣、武装警察と人民解放軍の駐屯部隊も即時に負傷者の救援にあたっている。メディアの情報公開も透明性を尽くし、迅速に権威性あるニュースとデータを公開し、政府が把握している死者負傷者数の状況と、被災地がもっとも必要とする緊急救援物資を発表している。

災害発生から12時間もたたずに、軍の医療チームは、すぐに被災地に赴き、甘粛省国土庁もスタッフを派遣し、二次的な地質災害の防備にあたり、救援活動は迅速かつ秩序あるものとなっている。

中国には、古代より「一方に災難あらば、八方から支援がある」という言葉がある。災害発生後、多くの基金、企業、個人が即座に大量の救援資金と物資を集めている。15日以来、被災地の現場では民間のボランティアの姿を目にする。ボランティアによって組織された「藍天救援隊」は救援の第一線で活躍している。全国各地の民間の力が自発的に集まり、様々な救援方式を以って、自らの力を尽くし被災地の人々を助けている。

大災害は、一つ一つの生命の適応能力を試すだけでなく、さらには社会全体の救援能力と互助精神を試す。そうしたなかに中国の救援活動の特色をみることができる。

 

人民中国インターネット版 2010年4月20日

 

 

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