景観と交通の主軸線「万博軸」と「陽光谷」  
 

 

 陽光谷

浦東エリアの中心にある大通り「万博軸」は万博最大の施設である。地下2階、地上2階の半オープン式の建物は、商業・飲食・エンターテインメントなどの機能を兼ね備え、全長1キロ、幅130メートルにもなる。

万博軸は会場南側のメーン出入り口から北の「お祭り広場」までまっすぐ伸び、その東西には上海万博の4大パビリオンである「中国館」「テーマ館」「万博センター」「演芸センター」が点在する。万博軸は会場の空間景観と人の流れの主軸線となり、期間中の利用者は1日平均90000人以上と見込まれている。これら「一軸四館」は恒久性建築で、万博閉幕後も残り、将来の都市計画の一部となる。

万博軸上に建ち並ぶ巨大なラッパ状のガラス張りの建築は「陽光谷」であり、6つからなっている。陽光谷は、いずれも万博軸の地上と地下の4階分のスペースを貫通しているので、地下まで自然の光が直接射し込むほか、新鮮な空気を注ぎ込むこともでき、地下にいる人が息の詰まらない快適さを保つことができる構造となっている。そのほか、雨天時には、陽光谷は雨水を集めることができる。貯められた雨水は、万博会場内の車両の洗浄や植物への散水などに使われ、節水につながる。

巨大な陽光谷は、天井部分がサッカー場ほどの広さになり、最高地点は地上90メートルに達する。シンプルに見える構造だが、実際に工事を行うのはとても難しい。現場の作業員の話によると、骨組みとなる鉄製の格子の接点やガラスの曲がる角度は、1つとして同じものはなく、それぞれ特注する必要があるという。そのためには膨大なデータを作らなければならず、これが工事の進行の大きな障壁となった。過去にもイタリアのミラノ市で、これに似たガラス張りの建築が建てられたが、陽光谷の規模には、はるかに及ばない。

このような高難度の巨大な建物は、本当に造る価値があるのだろうか。万博軸のチーフデザイナーの1人である李宏さんは、「陽光谷は上海万博のためだけに建てられたのではなく、象徴的なシンボルの意味合いも兼ねています。エッフェル塔も万博の産物ですが、その時代の人類の技術の成果を代表しており、万博閉幕後、エッフェル塔は都市の永遠のシンボルと万博の追憶の象徴となりました」と話した。

 

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