余震で死亡、中国人を感動させた香港ボランティア

 

黄福栄さん

黄福栄さんは香港からやってきた一般ボランティアだった。青海地震で6人を救出、自身は勇ましくも犠牲となった。彼の軌跡はすべての中国人の琴線に深く響いた。

黄福栄さん(享年46歳)は香港出身のコンテナ輸送車運転手。昨年4月、四川地震復興のためボランティアとして被災地に向かった際、大陸部で志を共にする人達と意気投合、そのうちのひとりが深セン市で慈善ウェブサイトを立ち上げ、大陸部の貧困児童を支援するようになった。黄福栄さんは慈善ウェブサイトを通じさらにひとりの蘭州市の友人と知り合う。その友人が最近黄さんに、玉樹慈善ボランティア会慈善家庭孤児院がボランティアを必要としていることを知らせた。黄さんは問い合わせをした後、先月末に蘭州へ飛び友人と会い、玉樹でボランティアとしての活動を始めた。

玉樹チベット族自治州慈善ボランティア会慈善家庭孤児院の大陸部出身ボランティア・林さんは、ネット上で黄福栄さんが亡くなった時の様子について次のように語った。「黄さんは地震発生後ただちに逃げたが、孤児や教師が困っているのを見て、危険を顧みず、被災現場に戻り被災者を救出した結果、自らの生命を奪われた」。

「建物が倒壊し、児童3人と教師3人が倒壊した建物の中に閉じこめられました。黄さんと他の孤児院スタッフは倒壊した廃墟に戻り、救助を始めました……黄さんたちが6人目を救出した時、マグニチュード6.3の余震が突然発生し、黄さんは不幸にも廃墟の中に生き埋めとなりました。他のスタッフが黄さんを救出後、現地の医師に応急手当を頼みましたが、30分後に彼は帰らぬ人となりました」。

黄福栄さんは5人兄弟・姉妹の4番目。2002年、黄さんは3カ月をかけて香港から北京まで徒歩で走破、白血病患者のために20万元を集めた。

香港では、黄さんの献身精神を称える声が社会各界から続々と上がっており、「香港の英雄」と呼ばれ始めた。香港特別行政区の曽蔭権・行政長官は自身のウェブサイト上に「香港の光輝く模範」と題した文章を発表、青海地震で犠牲となった地元出身ボランティアの黄さんを心より哀悼し、彼の「私心を献上し、正義のために自身を犠牲にした精神」を敬慕している。

黄福栄さんの行為は香港の人々の心を揺さぶった。現地各大手慈善機構は四川大地震に続き今回も続々と支援の手を差し伸べており、既に義援金200万香港ドルが贈られ、青海地震被災者への救援物資購入に充てられている。

 

「人民網日本語版」 2010年4月21日

 

 

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