王宝軍=文
上海万博には、1900年のパリ万博に出展された彫刻家・ロダンの作品、ベルリン国立モンゴメリ博物館秘蔵のライオンの装飾煉瓦壁 、第1回万博のオープニングに公開された油絵、ダ・ビンチの手稿、レンブラントの油絵、ピカソの『ゲルニカ』のスケッチ手稿、敦煌石窟の仏経や彫刻、清代の名画『姑蘇繁華図』、香港復帰祝賀パーティーで演奏に使用された「曾侯乙編鐘」のレプリカなどをはじめ、なんと330点もの文物秘宝が世界中から集まる。
ロダンと「考える人」
ロダンの作品を間近で見られる! 上海万博には、フランスの彫刻家・ロダンのブロンズ作品が7点も展示される。どの作品も1億ユーロを超える価値ある名作で、有名な「考える人」「バルザック記念像」「ウゴリーノとその息子たち」など。ロダンの作品が万博に登場するのは1900年のパリ万博以降初めてである。
ブロンズ像「考える人」には、力強い裸体の男性が腰を掛け、頬杖をついて思索にふける様子が描かれている。人間の内面、すなわち精神なるものを、エネルギーあふれる造形力と構想力で、三次元の物体に置き換えたロダンの代表作というべき傑作。ロダンにとって、この「考える人」は、地獄の入り口に座り、生命の難題や人類の生存の意義を深く思索する『神曲』の作者ダンテ本人でだろう。
『1851年ロンドン万博会場全景図』
『1851年ロンドン万博会場全景図』は、リチャード・ベアードが撮影した銀塩写真をもとに、1852年イラストレイテッド・ロンドンニュースがロンドン万博を記念するために制作した一幅の作品である。わずかに軽度の損傷があるが、全体的に保存状態は良い。
『全景図』はリンネルに貼り合わせられたもので、長さ6・75メートル、幅29センチ。彫刻が施された後に、色付けしている。初めの部分は表紙で、グラフでロンドン万博期間中の入場者数推移が記されており、続いてロンドン万博の展示場として建設された鉄筋ガラス張りの「水晶宮(クリスタルパレス)」や各国のパビリオンの光景が描かれている。背には、浮彫りの図案とこの図の英文表記が刻まれている。その他の部分には1851年万博の水晶宮の中の様子と各国国家館を描いている。
ピカソの『ゲルニカ』のスケッチ手稿
ピカソは1937年、スペイン政府の要請を受けて、同年開催のパリ万博に出展するスペイン館のために、油絵『ゲルニカ』を制作しました。『ゲルニカ』の原作はいま、ソフィア王妃芸術センターに所蔵され、センター随一の至宝とされている。その『ゲルニカ』のスケッチ手稿が、上海万博にやってくる! 手稿から『ゲルニカ』の制作に取り掛かるピカソの、戦争に対する憤りを垣間見ることができる。
人民中国インターネット版 2010年5月14日
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