世界の秘宝 大集合③  
 

王宝軍=文

上海万博には、1900年のパリ万博に出展された彫刻家・ロダンの作品、ベルリン国立モンゴメリ博物館秘蔵のライオンの装飾煉瓦壁 、第1回万博のオープニングに公開された油絵、ダ・ビンチの手稿、レンブラントの油絵、ピカソの『ゲルニカ』のスケッチ手稿、敦煌石窟の仏経や彫刻、清代の名画『姑蘇繁華図』、香港復帰祝賀パーティーで演奏に使用された「曾侯乙編鐘」のレプリカなどをはじめ、なんと330点もの文物秘宝が世界中から集まる。

敦煌莫高窟の文化財

敦煌莫高窟の「木彫六手観音像」や「彩色供養菩薩」など、国宝中の国宝ともいえる文化財10点が初めて敦煌を離れ、国内外の文化財(200点ほど)とともに、工場跡地を改造した「都市足跡館」に登場。上海万博を訪れる以上、ぜひとも足を運んで、この目で見てみたい文化財である。

10点には、「木彫六手観音像」1点、唐代の彩色塑像4点(供養菩薩、天王を含む)、仏経5点。うちの2点は開催期間中常設展示。他の3点は貴重なもののため、交代で展示される可能性がある。すべての仏経を見たい場合、2カ月に1回、会場を訪れるといいかもしれない。文化財だけでなく、展示するために、館内での特製した2つの敦煌洞窟も見どころだ。ちなみに、壁画を模写した画家たちの平均年齢が80歳を超えた。

前漢・錯金銅博山炉

あの有名な河北省満城陵山一号漢墓から国宝級の錯金銅博山炉がやってくる。1968の出土以来、河北省博物館、河北省文物保護センターに所蔵されている錯金銅博山炉。中国に現存するもっとも精緻な青銅器とされ、世に比類なき逸品をぜひお見逃しなく。

博山炉は香炉の一種で、古代貴族の贅沢品の1つ。高さは26センチ、錯金という入念な造りはほかにあまり例がない。錯金とは器の表面に溝を造り、同じ幅の金糸や金片を使って装飾を施した後に、磨いてつやを出すという製作方法で、針金象嵌ともいう。博山炉は、金糸や金片の違いを生かし、山にかかる折り重なった雲の形につくられ、空を行く雲や流れる水のように渋りがない芸術効果をおさめた。金糸は細いものもあれば太いものもありますが、細いものは髪の毛ほどの細さ。当時の高い技術力を物語ります。

仇英版『清明上河図』

明代の画家仇英の手による写本『清明上河図』が、「都市足跡館」に登場。この絵巻物は、北宋・張択端の『清明上河図』をモデルに、栄華を誇った明の中期に蘇州の風景を描き出したものである。当初、故宮博物院所蔵の北宋・張択端の『清明上河図』、台北故宮博物院所蔵の『清院本清明上河図』、仇英の『清明上河図』の共同展示も計画されていたが、展示期間が1カ月を超える場合、文物に破損を与える可能性があるということで、残念ながら実現しなかった。

蘇州の繁栄ぶりを描いたもう1つの名画、清代・徐揚の『姑蘇繁華図』も上海万博にやって来る。長巻で長さは北宋・張択端の『清明上河図」の2倍以上。専門家によると、『姑蘇繁華図』は200年前の乾隆帝時代を研究するための有力な資料である。

 

人民中国インターネット版 2010年5月17日

 

 

 
 
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