世界の秘宝 大集合④  
 

王宝軍=文

上海万博には、1900年のパリ万博に出展された彫刻家・ロダンの作品、ベルリン国立モンゴメリ博物館秘蔵のライオンの装飾煉瓦壁 、第1回万博のオープニングに公開された油絵、ダ・ビンチの手稿、レンブラントの油絵、ピカソの『ゲルニカ』のスケッチ手稿、敦煌石窟の仏経や彫刻、清代の名画『姑蘇繁華図』、香港復帰祝賀パーティーで演奏に使用された「曾侯乙編鐘」のレプリカなどをはじめ、なんと330点もの文物秘宝が世界中から集まる。

宋代の『立人羅針盤陶俑』

中国館に展示される宋代の『立人羅針盤陶俑』は、世界でもっとも古い羅針盤型造形物とされている。撫州市博物館館長の程暁輝さんによると、この羅針盤陶俑は1997年5月、撫州市臨川区撫北鎮にある元食糧備蓄倉庫の工事現場で出土したものだ。

陶俑は高さが23.2センチ、底の直径が7.6センチ、重さは423グラム。束ねた髪の毛、前方を見つめる力のある両目、朱肉の赤に染まったような顔立ち、黄色を帯びた茶色の長衣、四角形の台座が確認できる。褪色が進んでいるが、底に「章堅固」と刻まれている。

始皇帝陵の銅馬車

「秦陵1号銅馬車」が、出土以来30年を経て、初めて博物館を出て、上海万博へ出張。始皇帝陵から出土した銅馬車は計2両で、上海万博にやってくるのはそのうちの「秦陵1号銅馬車」である。

1980年、陝西省西安市臨潼区にある始皇帝陵の西側から出土した大型銅馬車は1組2両で、前後に並んでいた。復元したところ、大きさは実物の2分の1ほど。製造されたのは紀元前210年ごろとされている。

曾侯乙建鼓底座

青銅器製造技術の頂点ともいうべき建鼓底座が中国館に展示される。建鼓とは柱の中に太鼓を付けたもので、演秦者は立って太鼓を叩く。この建鼓座は中国で出土したもっとも古い建鼓の実物で、8組の大きな龍と絡み合っている数十匹の小さな龍からできている。絡み合っている龍同士の間に透かして、トルコ石が嵌められている。分鋳、鋳接、溶接などの技術が用いられており、楚国の鋳造技術の高さがわかるだろう。構造が複雑なため、いまだに複製はできないそうだ。

曾侯乙は苗字が姫で、名前が乙。彼は戦車戦に詳しい人物であるだけでなく、広い趣味を持つ芸術家でもある。彼の墓から1万点ほどの文化財を出土した。公開された時、それらの文化・芸術と科学・技術の面で達したすばらしいレベルは、世界を驚かせて、墓の主である曾侯乙も一夜にして注目を浴びるようになった。しかし、肝心の曾侯乙は誰なのか、歴代の書籍にはなにか記載がなかった。

 

人民中国インターネット版 2010年5月20日

 

 
 
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