世界の秘宝 大集合⑤  
 

王宝軍=文

上海万博には、1900年のパリ万博に出展された彫刻家・ロダンの作品、ベルリン国立モンゴメリ博物館秘蔵のライオンの装飾煉瓦壁 、第1回万博のオープニングに公開された油絵、ダ・ビンチの手稿、レンブラントの油絵、ピカソの『ゲルニカ』のスケッチ手稿、敦煌石窟の仏経や彫刻、清代の名画『姑蘇繁華図』、香港復帰祝賀パーティーで演奏に使用された「曾侯乙編鐘」のレプリカなどをはじめ、なんと330点もの文物秘宝が世界中から集まる。

漢代の波斯多瓣銀盒

漢代の波斯多瓣銀盒は、中国館に展示されます。臨淄大武窩托漢斉王墓から出土したこの銀製の盒は、かつてのシルクロードのありさまを見守ってきたものだろう。

盒は開け口の直径が11.5センチ、底の直径は6.2センチ、高さは11センチ。豆(とう)の形をしていて、円弧型の蓋がついている。膨らみが連なる装飾、高い丸足、銅製の台座で構成され、精緻感が溢れる造形。蓋の裏には「木南」と刻印され、取っ手には3つの銅製の獣がついている。盒と蓋の表にはそれぞれ、図形を咬みあわせた模様の装飾が施され、光を反射すると銀が華やかに輝く。

「彩絵雁魚銅灯(銅製ランプ)」

 

 このランプは1985年山西省平朔県で出土した前漢の文化財で、長さ34.5センチ、高さ53センチで、中国古代の環境保護型ランプといえる。ランプ全体は雁が魚をくわえてたたずむ意匠になっていて、魚をくわえる雁の首や体、ランプの受け皿と火屋(ほや)の4つの部分を別々に鋳造して組立てたのである。

魚の腹をランプの火屋に、雁の首をキセルに、水がはってある雁の腹部分に排煙装置で、内部に空洞構造でつながっている。実用性、美しい造形、科学的な環境保護の原理が有機的に結合していて、漢代の人類の斬新的な発明だといえる。

雁は想いと祝いを伝える縁起のよい鳥だと考えられ、中国語で「魚」と「余」は同じ発音で豊かさのイメージとされ、魚をくわえる雁の意匠は、漢代の人類の願望を表しているのであり、全体的に施されたきらびやかな彩色は漢代の美的傾向を反映しているといえる。

『姑蘇繁華図』

『姑蘇繁華図』(原名『盛世滋生図』)は、清代の蘇州出身の宮廷画家である徐揚が乾隆年間に最盛期を迎えていた江南・蘇州城内外の風俗人情を後世の人々に伝える大作であり、描いた全長1241センチの絵巻である。

この作品は完成の後、乾隆帝が所蔵し、御書房で繰り返し鑑賞したという。この絵には合計17の印章があり、「東北博物館珍蔵之印」を除く16の印章はすべて皇帝自ら鑑賞したことと証明する「御覧」の印章で、その内には乾隆帝に押された印章が12に達した。作品は遼寧博物館に収蔵されている。

 

人民中国インターネット版 2010年5月21日

 

 

 
 
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