文・写真/沈暁寧
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古鎮の保護と発展の国際研究討論会上で、中日両国の大手メディアの関係者は、ともに水郷の周荘の保護、発展のプロセスを討論した |
2010年5月18日、江蘇省蘇州市の周荘鎮において、中日新聞事業促進会と中国新聞社江蘇支社の共同主催により、第三回「古鎮保護および発展国際研究討論会」が開催された。
新華社、「人民日報」、人民網、中国新聞社、中国国際放送、および人民中国雑誌社の中国側メディアと、「毎日新聞」、「読売新聞」「北海道新聞」「産経新聞」などの多くの日本の新聞社機構の業界関係者が一同に集い、水郷の周荘を主とする中国の古鎮(古い町)を議題に、熱烈な討論を繰り広げた。
中日新聞事業促進会会長、中国記者協会会長、元人民日報社社長・邵華澤氏、および在上海日本国領事館総領事・横井裕氏が招待に応じ、会議に出席した。
会議の始まりに際し、邵華澤氏は、周荘は中国の古鎮の宝であり、世界中でもっとも影響力のある水郷の一つである。古鎮は人類の共同の文化遺産である。古鎮を宣伝し、古鎮の保護理念を伝え、古鎮保護の経験を広めていくのは、メディアと社会の共同の責任である、と指摘した。
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周荘では、各種の中国伝統の民間芸術を鑑賞することができる |
横井裕氏は、現在開催中の上海万博において、周荘は、世界にむけ、水郷の古鎮の風貌を示している、と述べた。同様に、「ベストシティ実践区」では、日本の大阪は「水」をテーマに展示をしている。日中両国の二つの都市は、「水」でつながり、それは一つの縁である。同時に、絶え間なく発展する日中両国の緊密な関係において、両国の世論形成のうえで、メディアは重要な役割を果す、と指摘した。
続く討論のなかでは、中日双方の代表はそれぞれ、政府の政策、社会的なパワー、民衆の意識、文化継承、および経済発展と環境保護などの方面において、保護と発展に関する各自のアイデアを述べた。そのなかで、日本の代表団は、京都、奈良、名古屋、小樽など日本の文化的な都市において、伝統的な文化風貌の保護と、都市の現代化方面との平衡をとるにあたり獲得した経験に基づき、中国の古鎮の今後の発展と保護に対し、アドバイスを述べた。最後に、大会は、上海万博と今回の研究会を契機とし、周荘が中国の古鎮の今後の発展と保護のプロセスのなかで、さらに好ましい成績をあげられるよう希望して終了した。
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現在の周荘は依然として伝統の味わいを残している |
茶館でお茶を味わい、弾き語りをきくのはゆったりとした楽しみである |
上海から70キロの周荘は、水路が縦横に走り、その傍らには、古民家が並ぶ風景で有名である。観光客は舟にのり、舟をこぐ若い女性たちの歌声と共に、川辺の19世紀の中国の江南の小さな町の風情を楽しむ。木造の茶館のなかでは、弾き語りする芸人の歌と語りを聞き、ゆったりと龍井茶を味わう。または、昔の劇場のなかのボックス席のなかで、当地に生まれ、中国の演劇の祖といわれる世界非物質文化遺産である優雅な昆曲を味わう。十年来、周荘は、発展と保護の道を歩み、中国でもっとも早期に古鎮保護により経済発展をもたらした規範となっている。周荘は、先に、ユネスコアジア地区の世界文化遺産保護傑出成就賞を獲得し、中国の5ツ星観光地となっている。
人民中国インターネット版 2010年5月24日
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