施然=文
私たちの視線に沿って、都市の版図が広がっていく。
約15ヘクタールの敷地に、世界から集まった知恵とクリエーティビティーは、都市の省エネ・低炭素という分野で、数々のイノベーションをみせる。人類や自然、歴史や科学技術を尊重するという都市の夢は、先端技術という形で表現され、伝わっていく。
これは、万博会場に史上初めてつくられた「ベストシティープラクティス区」のことだ。この区は、北部、中部と南部三つのゾーンに分かれており、北部は十四例のモデルケースが実物の建築物として集められた町となっている。中部には工場を改築した四つのパビリオンがならび、南部にも数多くのモデルケースが展示される。住みやすい住居、持続的発展が可能な都市化、歴史遺産の保護と利用、環境科学技術のイノベーションがメインテーマだ。ベストシティープラクティス区に集まっているのは、人々の未来の都市生活に対するイマジネーションだけでなく、複製可能な都市形態であり、持続可能な都市の夢でもある。
人類およびわれわれが生活しているこの大地、さらには未知の空間も、すべてがこの夢に導かれ、さらに美しい生活を創りあげていく。
寧波館
ケース名:中国滕頭 「都市化と自然保護の調和」のプラクティス
概要:滕頭村の「村在景中、景在城中(村は風景の中にあり、風景は都市の中にあり)」というライフスタイル、および「自然の保護で観光を促進、観光で自然を保護」という特色ある経済発展の仕方を提示。
西安館
ケース名 大明宮遺跡区の保護改築プロジェクト
概要:館内の大型円弧状スクリーンとウォータースクリーン映画システムの3次元映像で、来館者を幻の世界にいざなう。千三百年前の唐の全盛期の宮殿への空中旅行は、インタラクティブシステムによって古都西安の文化を肌で感じることができる。
メッカ館
ケース名 メッカのテントシティー
概要 サウジアラビア・ミナにあるテントシティーの実物大テントと、四平方キロのエリアにおいて、いかにして三百万人の住宅問題を解決するかについて提示。世界最大の人工貯水池も見所。
バンクーバー館
ケース名 文化遺産と住みよい都市
概要 冬季オリンピックを例とし、バンクーバーが持続可能な発展を通じて、どのように都市の居住性を実現したかということを提示。
上海館
ケース名 上海エコハウス
概要 上海市閔行区のエコモデルビルを原型とし、持続的可能な発展エコ住宅の理念を提示。普及可能な住み心地のよいシステムを探る。
マドリード館
ケース名 マドリードが試みる公共廉価賃貸住宅
概要 スペイン・マドリードの、「竹の家」と「Air Tree」に代表される社会住宅の建設を提示。リサイクルエネルギー、新しい環境保護材料、先進エコ技術が幅広く応用されている様子を目にすることができる。
ロンドン館
ケース名 化石エネルギーゼロのエコ住宅プロジェクト
概要:イギリス・ロンドンのベッドゼッド(BedZED)にある二酸化炭素ゼロコミュニティをモデルに、住宅の高密度と快適生活との完璧な融合を提示する。
ハンブルク館
ケース名 新型耐久性建築プロジェクト
概要:「港町(HafenCity)」プロジェクトの「H20」をベースにしてデザインした新耐久性建築プロジェクト。すべての建築を貫いている3Dの「願いの木」が見所。
アルザス館
ケース名 ウォータースクリーン太陽光エネルギーの建築物
概要 フランス・アルザスにある高校の太陽の壁をモデルに、太陽光エネルギーで室内を快適にさせる省エネ・エコ建築物。
ローヌ・アルプス館
ケース名 都市環境でのエコエネルギーと持続可能な住居
概要:リサイクルできる粘土でつくられた建造物を軸に、フランス・ローヌ・アルプス地域の環境保護理念を提示。
マカオ館
ケース名 マカオにおける百年の歴史を誇る質屋「徳成按」の復元と利用
概要 マカオにおける百年の歴史を誇る質屋「徳成按」を再建。マルチメディアのディスプレーによって、「徳成按」の歴史、およびその復元、再利用によって「質屋博物館」と「文化会館」に変貌させたストーリーを示す。
成都館
ケース名 活水公園
概要 四川省成都の活水公園をモデルに、都市生態環境公園の設計理念、運用状況とプラクティスの成果を提示。
オーデンセ館
ケース名 自転車の復活
概要 デンマーク・オーデンセは交通機関としての自転車の貢献を提示。先進的なインタラクティブ技術を使った、見学も体験も可能なもの。
人民中国インターネット版 2010年6月1日
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