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時代の喜怒哀楽を捉えるデジタル映像企画プロデューサー

王焱=文・写真

近年、デジタルビデオカメラはその軽さ、高機能などのすぐれた点と価格の安さで急速に流行るようになった。同時に、インターネットメディアの発展とともに、さまざまな業種の映像製品に対する需要が急増し、デジタル映像の企画・撮影に従事するプロフェッショナルたちが現れた。2004年、国家労働・社会保障部(省)はこれを新たな業種と認め、デジタル映像企画プロデューサーと名付けた。この仕事に従事する人は十万人以上に達すると見られている。

映像学部を卒業した魏威さん(26歳)は、デジタル映像の撮影を5年間続けてきた。内容は主にドキュメンタリー、ミュージックビデオ、コマーシャルフィルム、プロモーションフィルムの撮影である。普通のプロデューサーにとって、前の三つの仕事を手にするチャンスも儲けも多くはないため、収入は主にプロモーションフィルムの撮影に頼っている。短いプロモーションフィルムを作るには、クライアントとの契約交渉から、実際の撮影、さらに編集し完成するまで、2、3カ月間かかる。10万元前後の予算で、そのうちプロデューサーの報酬は一万元前後であるという。

 しかし、プロモーションフィルムの撮影では、達成感も歓びも感じられないと魏さんは語る。「コマーシャルフィルムなら、クリエイティブで潜在的な消費者の目をひきつけ、ブランドの価値や機能をアピールすることができますし、芸術・想像力を思い切り発揮できる余地があります。けれど、プロモーションフィルムの多くは企業や地域のイメージ作りが目的なので、大げさな表現が求められ、クリエイティブを発揮する余地はありません」  

魏威さんはデジタルビデオに記録された映像をコンピューターに取り込み、編集する(写真提供・魏威)

一方、この業界に入ったばかりの新人にとって、プロモーションフィルムの仕事をもらうことさえ容易ではない。最初の一歩が非常に難しいと魏さんは言う。正規の大学を卒業するか、資格を持っていることが好ましく、さらにクライアントとのコミュニケーションのコツも身につけなくてはならない。また、インターネットメディア業界に就職したい人にとっては、ニュース映像の撮影もいい選択であるといえる。「この仕事は、機器を担げば撮れるというものではありません。日ごろから注意深く観察し、素材を蓄積し、できるだけ多くの映画を観て、そのエッセンスを吸収することも必要です。撮影前にすべて準備し、資料を集めておきます。ニュースでもドキュメンタリーでも、レンズに人の感情を捉えることが大切です。また、チームワークがなくてはダメです。自分ひとりでできる仕事ではありませんから」  魏さんはかつて新浪ネットという中国の検索サイトでアルバイトをしていたとき、月給5000元以上で正社員になるというオファーを受けたが、「私の夢は仲間といっしょにデジタルビデオで映画をとることなので」と断った。大学卒業前、意気投合した友人といっしょに映画を撮ろうとしていたが、脚本が気に入らず途中で断念した。やがてその友人はフランスに留学してしまったが、2008年の初め、取材でカンヌ國際映画祭に参加した際、偶然に現地で再会。二人が撮ったドキュメンタリー『君がいない』(『Sans toi』)は、第31回シネマ・ド・レアル(フランスの国際ドキュメンタリー映画祭)に入選した。

 2008年は七、八本のプロモーションフィルムの仕事があったが、昨年は金融危機の影響でわずか三本に減ってしまった。「この仕事をする人は増えているが、仕事はかえって少なくなっているようです」  それでも、魏さんはやはり自分の夢をあきらめたくない。現在は北京のナイトライフに関するドキュメンタリーを自費制作している。しかし、彼にも迷いはある。「30歳を過ぎても大きな成果がなければ、どこかのメディア会社に就職するかもしれません」

 

人民中国インターネット版 2010年6月25日

 

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