万博とワールドカップの幸せな出会い  
 

董彦=文

万博は五年に一度、サッカーのワールドカップは四年に一度開催される。つまり、二十年に一度だけ両者は同じ年に開催されるのだ。2010年、上海万博はワールドカップ南アフリカ大会とめぐり合った。万博会場では、3Dによるゲーム中継を見ることができ、世界各地のサッカー・ファンとともに広場でゲームを見ながらよく冷えたドイツビールを楽しむこともできるなど、ワールドカップをめぐるさまざまな楽しみが用意されている……。

サッカーの要素がいっぱい

上海万博では、会場の多くの場所にサッカーへの熱い思いがあふれている。ブラジル館に行ってみれば、「大五郎カット」のロナウドが「ナマ」のゴールを見せてくれる。つまり、おなじみの人差し指を激しく動かす動作で、あなたを2002年の優勝ゲームに連れ戻してくれるのだ。そして、津波のような歓声の中、リバウド、ロナウジーニョ、カカなどの姿がスクリーンに次々と現れる。頭上の巨大なネット内には無数のボールがあり、誰もがヘディング・シュートを決めたいという衝動にかられるはずだ。

ブラジル館の天井に飾られた無数のボールを見上げる来場者(CFP)

アルゼンチン館の外壁に備え付けられた大スクリーンには、絶えず「パンパスの雄鷹」アルゼンチン代表のベスト・ゲームが流されている。その中では、マラドーナとメッシがともに主役の座を譲らない。

ヨーロッパは南米とともにサッカーのもう一つの聖地であり、今回のワールドカップで優勝候補の一角に数えられるのがイングランド。そのイングランド代表の「神童」ルーニーのろう人形がこのほどイギリス館前に登場した。イギリス館の「タンポポ」のような姿とのコントラストが人気を呼び、来場者はさかんにシャッターを切っていた。

サッカーのテーブルゲームに興じる観光客(CFP)

今回のワールドカップは南アフリカでの開催となり、アフリカの人たちは大いに誇りを感じている。その一員であるカメルーンは、サッカーではアフリカでもっとも成功している国のひとつである。アフリカの強豪として、カメルーン代表は今回を含め六度ワールドカップ本大会に出場、アフリカ勢初のベスト八進出も記録している。カメルーン館内には代表チームの集合写真やキャプテンの大きなポスターも飾られ、来場者はアフリカ・サッカーのほとばしる情熱を感じることができる。また、ひとつの壁には高さ2メートルのディスプレーが設置されており、来場者は光センサー・システムを使って、刺激的な「PK戦」を行うことができる。

サッカー観戦の友

ワールドカップとビールは「生まれついてのベスト・カップル」である。ワールドカップ開幕以来、万博会場では「ビール大戦」がすでに勃発。南アフリカ、ブラジル、日本、アイルランド、ベルギー、インドネシアなどのパビリオン内「ビアホール」では、各種のクリスピーなビール、チョコレート風味の特殊な黒ビール、本格アイスビール、ビンタンビールなどが提供され、ワールドカップに対する熱情を発散している。

南アフリカ館内にはワールドカップ関連のポスターがずらり(写真・虞向軍)

 サッカー王国として、ブラジル館は当然「サッカーの名刺」を配るのを忘れない。ブラジル館の外に来るだけで、バーチャルの試合に参加できるのだ。館外に設置された大型ディスプレー(6.1×3.4メートル)上で、来場者はバーチャルの選手を操って遊ぶ楽しいゲームに参加できる。知るところによれば、これは万博会場唯一の屋外型インタラクティブ・ゲーム。ディスプレー上に表示される数字をケータイから入力することで、選手と連動できる。その後、観客はケータイのボタンを使ってバーチャルの選手をコントロール、ゴールをねらい勝利を目指す。これなら、入場の列に並んでいる間も退屈しないはずだ。ただし、くれぐれもゲームに夢中になりすぎて入館するのを忘れてしまうことのないように!

 

人民中国インターネット版 2010年6月28日

 

 
 
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