龔海瑩＝文

百年の歴史を持つ青島は、活気に満ちた青春の街であり、モダンで上品なロマンの都であり、「改革･開放」によって新たな投資などが集中する経済都市でもある。

青島は中国で唯一の｢世界最も美しい港湾｣都市に選ばれている(東方IC)

かつて青島は「｛こうおう｝膠澳」と呼ばれていた。清の光緒十七年（一八九一年）、清朝政府は膠澳に駐兵防備することを決め、この時から青島と呼ばれるようになった。青島は山東半島の南端に位置し、都市としての面積は一万六百五十四平方キロ、七区五市を管轄し、八百五十万人がここで働き、生活している。沿海の開放都市として、青島は美しい風景を擁するだけでなく、人が生活するのに最も適した都市のひとつとしても知られる。同時に、「改革･開放」の急速な発展を経て、ＧＤＰも国内の都市では第十位にランクされる、重要な経済の中心都市でもある。

活気に満ちた青春の街

百余年の間に、青島は二度の世界大戦による戦火の洗礼を受けた。しかし、歴史の痛手を乗り越え青島の表情には青春の情熱が宿り、現代化された国際都市という目標に向けて全面的に発展している。

港湾都市として、青島は太平洋沿岸の重要な国際貿易港であり、海上輸送の中心である。規模において国内トップクラスのコンテナ｛ふとう｝埠頭、原油埠頭、鉄鉱石埠頭を擁する。また、国家クラスの港湾技術センターが立地し、世界の百三十の国と地区の、四百五十以上の港湾との往来がある。二〇〇九年、青島の港湾の貨物取扱量とコンテナ積み下ろし量は、それぞれ世界七位と九位となっている。一方、空の玄関・青島流亭国際空港は飛行場基準コードで４Ｅレベル（Ｂ７４７型機など大型機の離発着ができる）であり、五十数カ所の国内主要都市を結ぶ九十六路線のほかに、国際貨客線十二路線を持つ。

海洋科学研究の分野においては、青島は全国の四〇％以上の省クラス以上の研究機構を有する。著名な中国海洋大学、中国科学院海洋研究所などがここに設置されているのである。国家深海基地、海洋科学・技術国家実験室も建設中であり、ハイレベルの海洋科学研究者は全国の三〇％を、海洋関係のアカデミー会員は全国の六〇％をそれぞれ占め、中国初の国家技術創新プロジェクト・モデルケース都市に認定されている。

モダンで上品なロマンの都

青島はその独特な地形と位置、歴史的背景により、一九二〇年代にはすでに療養、避暑、景勝地として有名な観光都市であった。青島は海あり山ありと風光明媚で、中国の沿海第一の名山・（火＋勞）山があるほか、保存状態のいい近代欧風建築群があり、「万国建築の一大名作」と呼ばれている。二〇〇九年、受け入れた国内外の観光客は延べ四千三万人に達している。そのうち海外からの観光客は三百万人を超えており、観光の総収入は四百八十九億人民元となっている。

静かで美しくロマンチックな青島は、世界でもトップクラスのオリンピック・ヨットセンターも持っている。オリンピック・ヨットセンターは、三本の南北に向いた軸線で構成され、川の字の形になっている。これは青島が「海納百川」（多くの川を受け入れる海のような度量の大きさ）の性格で世界に向けて門戸を開いていることを意味しているのである。二〇〇八年、青島はオリンピックとパラリンピックのヨットレースを開催した。オリンピックの夢を実現した後も、ボルボ、クリッパーなど世界一周ヨットレースと密接な関係を持ち、これらのレースにおける中国唯一の寄港地となっている。これらのことから、青島は中国における「ヨットの都」と呼ばれている。

イノベーション先進都市を

青島に来れば、現代的海浜都市独特の息吹が肌で感じられるはずだ。青島は「改革･開放」第一陣の十四の沿海開放都市の一つであり、国家クラスの経済技術開発区、ハイテク産業開発区、輸出加工区と保税港区を持つ。

また青島は、ブランド経済の発展に力を入れており、ハイアール、ハイセンス、青島ビールなど一群の有名企業やブランドを有する。一九〇六年、すでに青島ビールはドイツ・ミュンヘン国際博覧会で金賞を受賞するなどの歴史を持ち、現在は世界八大ビールメーカーに数えられている。ハイアール集団は冷蔵庫と洗濯機の市場シェアがそれぞれ世界のトップとなっている。ブランド経済は青島をブランドの都市へとまい進させているのである。

青島は世界との関係を絶えず強化している都市でもある。すでに十七の国の十九の都市と友好都市関係を、十九の国の三十七都市と友好協力都市関係を締結しており、二千以上の海外の商社、企業や金融機関が青島に事務所を構えている。二〇〇九年、対外貿易輸出入総額は四百四十億ドル、輸出額は二百六十九億ドルに達しており、「世界のトップ５００」に入る企業のうち八十二社が、百七十二のプロジェクトのため青島に居を定めている。

人民中国インターネット版　2010年7月22日