董彦=文
万博の開催はある都市群(メガロポリス)にとって、その存在を世界に認めさせる近道の一つである。上海万博は長江デルタ地域の開放的、文明的なイメージを世界に残すだろう。この地域に大きな国際的名声を与えることは疑いもない。
万博が世界6番目のメガロポリスを誕生させる
東経120度、北緯30度付近には奇跡が起こっている。中国全体の2.1%の土地と一一%の人口を有するに過ぎないこの地域は、全国の21.7%のGDPを稼ぎ出し、24.5%の財政収入を上げ、四七・二%以上の輸出入額を記録している。2009年度の地区GDPは一兆ドルを突破し、一つの経済圏として韓国一国の総額を上回りロシアに肉薄、国別ランキングに当てはめるなら11位に相当するのである。この奇跡の地域こそ、長江デルタ地域である。
現在、地域の発展においてメガロポリスが担う牽引車の役割に注目が集まっている。世界クラスのメガロポリスは今のところ五つある。ニューヨークを中心とする米国のボスウォッシュ、シカゴ、トロントが核の北米五大湖メガロポリス、東京と名古屋、大阪などが並ぶ日本の東海道メガロポリス、ロンドンを中心に構成される英国南部メガロポリス、パリ、ブリュッセル、アムステルダムを擁するヨーロッパのブルーバナナである。
そして六番目のメガロポリスとして期待されるのが、長江デルタ地域のメガロポリスである。2008年、中国国務院は初めて長江デルタ地域に「強い国際競争力を持つ世界クラスのメガロポリス」建設をと明確に指示した。「世界5大メガロポリスの成立の軌跡から見て、どのメガロポリスには世界クラスの賛同が必要です。経済や科学の発展の強い力と国際的影響力を持つ以外に、政治、商業、学術界発展の活力を示すことが必要なのです」と、南開大学浜海開発研究院常務副院長の周立群氏は話してくれた。
この点で、万博の開催は一つのメガロポリスを世界に認めさせるよいチャンスである。万博では人類社会、経済、文化、科学技術分野における最新の成果について展示するだけでなく、主催国の実施都市の組織力や吸引力、発展の活力を見せることができるからだ。
記者は、世界五大メガロポリスがかつて頻繁に万博を開催していたことに気づいた。これまでの40回の万博のうち、世界5大メガロポリスで開催されたのは28回で、全体の70%を占める。ここから、万博の役割を軽視できないことが見て取れる。南京大学の長江デルタ経済社会発展研究センターの執行主任劉志彪氏は、今回の上海万博がこの地域に大きな国際的名声をもたらすことは疑いないと述べている。
しかし、長江デルタ地域はほかの5つのメガロポリスとの間に、まだ小さくない距離を残している。劉氏は同時に、地域の一体化が目下この地域の最も大きな問題だとも述べた。長江デルタ地域の各都市は、依然としてばらばらに奮闘を続けている段階で、世界第六のメガロポリスに向けて最も重要な課題は、いかに高効率に地域の一体化を実現するかであるという。
人民中国インターネット版 2010年7月22日
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