高鑫=文
せっかく入ったパビリオン、ただ歩くだけ、写真を撮りながら、それとも見るだけ? もちろん「ノー」。過去と未来を結び、大陸と国境を越えて、世界最先端の創意、科学技術、芸術の世界カーニバルを見せてくれる多くのパビリオンで、各種のインタラクティブ・プロジェクトが用意されている。来館者は手足を動かして最新の科学技術、楽しい万博体験の真髄を体験できるのだ。そう、体験は永遠に新鮮。万博をインタラクティブに体験し、自分を万博の主役にしてしまおう。
ドイツ館 叫び声で「パワーボール」を動かせ
声を使って巨大な金属のボールを振り動かすというと、中国の武侠小説や日本のマンガのようだが、実は私たちもそれを体験できるのだ。
ドイツ館の「動力の源」ホールの中央には、直径三メートル、重さ一・五トンの不思議な金属の「パワーボール」があり、表面に装着された四十万個のLEDを通して、色とりどりの画像を球面上に映す。大勢の来場者はホールらせん階段に立って、大きな叫び声と拍手によってこのボールを往復させたり振り動かしたりできるのだ。声が大きくそろっているほど、球はそちらに向かう。回転に伴って目の前にさまざまな映像もぱっと現れる。このインタラクティブなボールは、「人々の心が一つになれば、泰山を移すこともできる」のことわりを表している。世界各地から来た人たちが、異なる言語、声の調子でひとつの任務を完了させるなら、どれほど楽しいことか。
チェコ館 「黄金の涙」の約束
チェコ館内には黄金でつくられた巨大な涙に似た芸術品が陳列されている。入館順が五百の倍数番に当たる観客は、ガラス部屋の中でこの「黄金の涙」に至近距離まで近づける。さらに、「黄金の涙」を凝視し、展示品が光に照らされて光沢が変化するのを眺めて楽しむ時、不思議なセンサーが頭上に降りてきて、その人の感情の起伏を感知する。そして、機器の腕を操作して、五十種類近いなかからいくつかをチョイスし、その人のために世界に一つだけの香水を調合してくれるのである。抽象的な感情を典型的なチェコ要素である真実の香りに変えることで、一人ひとりに深い印象を残すはずだ。
もし「黄金の涙」に近距離で接触するチャンスを逃したとしても、残念がることはない。「黄金の涙」の重さを当てるクイズに参加できるからだ。チェコ館は、正解に最も近い十名の幸運な観客に素敵なプレゼントを用意している。
カナダ館 人と自然の美しい相互作用
カナダ館の随所に人と自然の美しい相互作用が満ちている。ここにはきらめく幻想的な不思議な池があり、灰色の水底に人々が手を浸したわむれると、刻々と色が入り混じりきらびやかに変化する。水流の変化に伴って楽しい都市が現れる。チョウチョ、花、魚が通りで楽しそうに遊び、最後に水面には子どもの両手が現れ、まるで子どもたちが夢の都市の中で遊んでいるかのようだ。
パビリオンの中にはまた、環境保護活動に関心のある人のためのインタラクティブ・ゾーンが用意されている。巨大な3Dスクリーンの前に、固定された自転車があり、世界旅行に誘っているのだ。自転車に乗って、心ゆくまでバーチャルなカナダの大自然、高層ビル、山岳、森林、さらに幻想的な海底世界を行き来する。自転車を加速すれば、都市の上空を飛ぶ感覚も味わえ、メープルの国の都市の美しさをリアルに体験できるのだ。
韓国館 民族文化をインタラクティブに体験
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韓国館には12メートル×2.7メートルの大型タッチパネルの壁がある(新華社) | 「濃縮されたソウル」のほか、インタラクティブな要素に満ちた設置も韓国館の人気の原因であり、ほとんどの技術展示に観客が関与することができる。韓国館に入ると、まず不思議な壁を目にするはずだ。先進の電子映像技術で韓国の都市生態公園や上海の公園の美しい景色が壁に映し出され、水面を浮遊する特殊効果を見られる。壁に近寄ると、人影が樹木や花、チョウチョに変わり、壁に触るとそれに伴い、壁の模様が動作によって一緒に変化する。「転がる幸運」の展示エリアではレバーを動かして「幸運くじ」を引くことができる。庭園の木の上のそろばん球は新たな配列で、中国人が良く知る『周易』『{し び と すう}紫微斗数』の八つのおめでたい言葉を表示する。
育楽湾 成長の喜びを味わう
子どもを連れて万博会場を訪れるなら、万博のためにつくられた子ども未来都市の職業体験テーマパーク、育楽湾は見逃せない。パビリオン全体が二十五の実物比三分の二のミニ建築でできている。ここのすべては子どもの身体に合わせて作られているのだ。これら縮小された公共施設、工場や企業の中で、子どもたちは大人と同じ「職業服」を着用し、警察官、医師、乳製品研究員など三十種類近くの職業から好きなものを選び、夢の職業を実際に体験する。ここでの学習は、無味乾燥な教科書の文字ではなく、自らの手で操作するロボットの開発、美味しい西洋料理、厳粛で刺激に満ちた特殊警察部隊、きらびやかな洋服のデザインなどだ。子どもたちは体験を通して、未来の職業、未来の都市での生活がどのようなものかを知ることになる。
南アフリカ館 W杯が身近に感じられる
記憶に新しい南アフリカ・ワールドカップだが、南アフリカ館にはサッカーの要素が満ちている。館内では、直径二メートルの公式球ジャブラニの模型と記念撮影をすることもできる。あるいは、南アフリカ・ワールドカップ・マスコットのザクミと「親密接触」もできる。さらに、南アフリカ代表選手と肩を組めたり、バーチャルのPK合戦や卓上のサッカーゲームなどで、自分のサッカー技術を試すこともできるのだ。
中国航空館 もっと高く飛びたい人に
空を飛びたいなら、中国航空館ははずせない。パビリオン内のメイン・エリアにあるスマート無軌道観光車に乗って4D模擬飛行を体験できるのだ。観光車の軌跡の変化と補助の音声、光、電気、霧などにより、原生林を越え、巨大な鳥とすれ違う体験ができる。高速で宇宙に飛び出し、太陽系以外の天体や宇宙飛行士と身近に接触することも可能だ。
まだ足りないというなら、館内のシミュレーター・エリアで飛行機の操縦を体験しよう。本物を参考にしてつくられた飛行機シミュレーターと、大型航空機シミュレーターがある。上海虹橋空港を飛び立ち、万博会場の上空を旋回し、そのまま上海浦東空港に着陸する飛行ルートで、空中からは黄浦江両岸の万博会場の建物が一目りょう然だ。
情報通信館 情報と夢を集めてくれるICT
入館した瞬間から、小型のICT移動携帯端末が来場者と情報通信のインタラクティブな橋渡しをしてくれるのが情報通信館だ。軽くスイッチを押し、ユーザー名とパスワードを入れるだけで、夢の情報記録が作れる。パビリオン内では、ICT上のマスコットが絶えずインタラクティブに案内してくれ、展示や上演情報を提供し、重要な瞬間を見逃さないようにしてくれる。
また、自動撮影装置にICT移動携帯端末を触れるだけで、来場者の姿がスクリーンに現れ、そこでポーズを決めればその写真が撮影され、情報通信館のウェブにアップされる。
現場で来場者と連動するだけでなく、情報記録および収集した夢をもとに無線ネットを通じて個性的なホームページを作ってくれるのもうれしい。家に帰って情報通信館のウェブをクリックすれば、自分だけのページをダウンロードすることができ、もう一度忘れがたい旅行の思い出を味わうことができるのだ。
人民中国インターネット版 2010年8月17日
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