10月31日、潘基文・国連事務総長は南京大学において「持続可能な発展と気候変動」を巡るスピーチを行い、メキシコのカンクンにおいて開催される「国連気候変動枠組み条約締約国第16回会議」において、世界各国が妥協、折衷と常識を重んじる精神に基づき、協調、協力し、進展が得られるよう呼びかけた。
「国連気候変動枠組み条約締約国第16回会議」は、11月29日から12月10日までメキシコのカンクンにおいて開催される。「昨年のコペンハーゲンでの会議では、法的拘束力をもった協議を成すことができなかった。ゆえに、年末のカンクンにおける会議では、必ずや進展を得なければならない」と潘基文事務総長は語る。
潘基文事務総長は、今年の10月4日から9日にかけて中国が「国連気候変動枠組み条約」天津会議を開催したことに対し、深い感謝の意を示した。また、持続可能な発展に関する重要な問題のうえで天津会議が一定の成果を得たことを国連は非常に喜ばしく見届けている、と潘基文事務総長は語る。それらの成果は世界に希望をもたらし、特にもっとも貧しい人口と社会的弱者という億にものぼる人々の生活を改変し、同時にカンクン会議への非常に良い準備となっている。
しかし、国連では、その他の方面、例えば、温室効果ガスの排出削減目標、監督審査機構などにおける滞り、および京都議定書の未来について憂えている。人類の社会は、持続可能な発展の勢いを停めるべきでなく、すでに獲得している成果を脅かすべきでない。
潘基文事務総長は、「私は上海万博を参観し、世界各国がそこで持続可能な発展のために多くの解決案を示しているのを見ました。例えば、コンパクトな都市設計、土地の多元的利用、公共交通系統、リサイクル資源、低CO2の生活スタイルなどです。ゆえに私は、国と国の間は、常識を尊重し、同じ価値観と原則を堅持しさえすれば、有効に共同の利益を促進し、目標を実現できるものと信じます」と語る。
潘基文事務総長はまた、気候変動は人類が共に直面する問題であり、世界各国は、話し合いにおいて、自国の利益を超越し、小異を残して大同につき、人類の長期的利益に合致する解決案をともに求めるべきであると語る。また、地球の資源の蓄えは、工業化を成し遂げた国家の現在の消費と生活方式を支えることはまったく不可能であり、先進国は、気候の危険を減少させる行動方式、財政および技術方面における発展途上国への支持、クリーネエネルギーの使用、低CO2経済の実現をすぐに採用すべきであり、人類の生活をさらに安全に、健康に、満ち足りたものにすべきであると述べている。
人民中国インターネット版 2010年11月1日
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