日本国政府と中華人民共和国政府による気候変動問題を対象とした科学技術協力の一層の強化に関する共同声明

  日本国政府及び中華人民共和国政府(以下「双方」という。)は、

  双方の科学技術協力は、1980年に「科学技術の分野における協力に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定」(以下「科学技術協定」という。)が締結されて以来、拡大の一途をたどり、量的にも質的にも大きな変化を遂げてきたことを認識し、

  気候変動問題が、人類社会の発展に深刻な影響を与える地球規模の問題であり、国際社会が協力して解決に臨む必要があることを認識し、

  気候変動の進行を減速させ、気候変動に適応し、省エネルギー・排出削減を図り、再生エネルギー・新エネルギーの開発を促進する等の面において科学技術が大いに貢献できることを認識し、

  双方が、「戦略的互恵関係」の構築のための具体的な取り組みとして、気候変動分野の科学技術協力を展開していくことの重要性を確認し、

  以下の諸点について意見の一致を見た。

 1、双方は、科学技術分野における協力を更に強化し、気候変動問題を解決するために共同で貢献していくという政治的決意を表明する。

 2、地域の持続可能な発展を確保し、共に関心を有する問題を解決するために、環境保全、気候変動問題を対象とした科学技術協力を一層推進することとし、双方の科学技術部門は既存の協力枠組み等を利用して、戦略的に科学技術協力事業を推進する。

 3、双方は、気候変動の進行を減速させる技術と気候変動に適応するための技術に関し共同研究を一層強化すると共に、これらの技術開発に関連する協力を進め、双方の大学、研究機関及び産業界がこうした協力に積極的に参加することを奨励する。

 4、双方は、気候変動を対象とした具体的な科学技術協力を積極的に進めていくため、その進捗に必要な措置をとる。

 5、「21世紀東アジア青少年大交流計画」の一環として、気候変動対策分野を含めた若手の研究者を毎年50人程度、来年から4年間にわたって日本に短期招へいすることとし、双方は引き続き若手研究者の交流を活発に継続する。

 6、双方の科学技術分野の協力を次の段階へと推し進めるという観点から、両国政府間の科学技術協力協定に基づく日中科学技術協力委員会の団長を次官級へと格上げし、政府関係部門からの幅広い出席者の参加を可能とする。また、同協力委員会が開催されない年においても、定期的に事務レベルの情報交換を行い、協力を強化する。

 上述の協力は双方の関係部門での更なる協議を通じて、具体的に実施していくこととした。

 

 
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