文=唐書彪
かつて日本は「京都議定書」を世に問い、それはひとつの栄光となったが、わずか5年後、栄誉は負担に変じている。2010年11月30日(メキシコ・現地時間)、日本は「京都議定書」の延長に反対したことで、NGOのCAN (Climate Action Network)より「化石賞」を授与された。
カンクン会議において、CANは毎日、その日の交渉においてもっとも劣る国家を評定し、会場外で「化石賞」の授与を行っている。
実際のところ、日本の「化石賞」は初めてではない。昨年のコペンハーゲン会議では、日本は1度ならず「化石賞」を得ただけでなく、その“受賞”の理由の1つは、「京都議定書」の延長への反対であった。
今年、カンクン会議は、始まってまだ2日であるが、日本の交渉代表は、様々な場で、「どのような状況下であっても、日本は絶対に“京都議定書”の第二段階におけるいかなる温室効果ガス削減についても承諾しない」と公に表明している。その日本の理由は、「議定書」は全地球の温室効果ガス排出国家の27%を網羅しているだけであり、世界最大の温室効果ガス排出国家である中国とアメリカが「議定書」の削減目標に入っていない、というものである。
これに対し、楊愛倫・グリーン和平気候およびエネルギー項目経理は、「“京都議定書”は法的拘束力をもつ唯一の気候保護協議であり、全地球が気候変動に対応する努力の成果である。日本は“京都議定書”が生まれた国であり、現在のような議定書の延長にたいする断固とした反対の立場は、カンクン会議に影を落としている」と批評している。
日本とアメリカは、先進国に属し、「議定書」では率先して大幅に温室効果ガスを削減すべきであると要求されている。日本がアメリカの温室効果ガス削減に関する非力を言い訳に自己の温室効果ガス削減の義務を逃避しようとするのは、非常に無責任である。気候変動の厳しい現状に対し、すべての国家は、積極的に行動すべきであり、アメリカを言い訳にする行動は、気候変動に関する交渉を悪循環に陥らせるだけであり、それは全地球にとっての災難である。
中国は途上国として、「共同かつ区別ある責任」の原則に基づき、自国が全地球の利益のために効果的、主体的な温室効果ガス削減を遂行しているとはいえ、削減において先進国との区別を要求する。日本が中国を先進国の責任逃避の理由とするやり方は不公平である。
実際には、カンクン会議の前に、日本国内の9大産業連合は日本政府に対し共同で圧力をかけ、2012年以降の「京都議定書」の延長の反対を要求している。これに対し、楊愛倫は、「日本の国際的な交渉の立場は、国内の短期的視野の集団によって“拉致”されている。これらの日本企業は、グローバル規模における温室効果ガス削減の趨勢が日本の最先端、高能率の節エネルギー技術に商業的チャンスをもたらすことを見ていない。彼らのやり方により、日本は国際社会における競争性を失うだろう」と述べる。
人民中国インターネット版 2011年12月2日
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