農民工子女の就学難について

 農民工(農村部からの出稼ぎ労働者)子女の就学難に関する質問には「農民工は都市部で生活するうえで多くの困難を抱えているが、中でも最も気遣われるのが子どもたちの就学問題だ。農村部の教育の発展に力を入れると同時に、農民工の子どもたちの就学、特に義務教育が戸籍を理由に妨げられないようにするという、2つの取り組みが欠かせない。農村部の子どもたちが、農村部に留まるのであれ、両親について都市部へ出てくるのであれ、良質な教育を受けられるようにしなければならない」と述べた。

 所得分配の改革について

 所得分配改革については「所得分配問題の解決に必要なのは、第1に低所得者の賃金水準を高めると同時に、最低生活保障の額を引き上げること、第2に収入の高すぎる職業に対して総量と水準の両面から制限を加えること、第3に合法的収入を保護し、不法収入を取り締まり、行き過ぎた高収入を調整することだ。個人所得税の賃金所得基礎控除基準を引き上げる。これは国務院で議論したうえで、全人代に上程する」と述べた。

第12次五カ年計画期間中の改革と発展について

 第12次五カ年計画期間中の改革と発展については「第12次五カ年計画では発展の重点を経済成長の質と効率の向上に置き、発展の成果が民生改善に現われるようにしなければならない。イノベーションによって駆動される、内生的成長の道を歩まなければならない。指導幹部の政治的業績の評価は人民の歓迎度、満足度、賛同度を最高の基準とすべきだ。ビルの建設やプロジェクトを最高基準とすべきではない」と述べた。

 「反腐唱廉」について

 「反腐唱廉」(汚職や腐敗に反対しクリーンな政治を推進)については「どんなに高い地位の人間でも、法律や紀律に違反し、汚職や収賄に関わった者は、みな厳罰に処さなければならない。今年は主要指導者による権利侵害・汚職・腐敗の調査・処分を筆頭任務とする。これと同時に、改革を推進し、人民による監督制度を構築することも必要だ」と述べた。

 ネット利用者から非常に活発に寄せられる質問に、温総理は真摯かつ率直に回答した。2時間の対話で温総理は農業生産、水利建設、ストリート・チルドレンの救護、定年退職者の待遇、人民元為替相場、省エネ・排出削減、大学生の就職、集団林権制度(山林を集団所有する制度)改革、戸籍制度改革、両岸交流などに関する質問にも答えた。

 

 「人民網日本語版」2011年2月28日

 

 

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