3月1日、開催された国務院常務委員会会議では『中華人民共和国個人所得税法修正案(草案)』が討議され、原則として通過した。会議においては、個人所得税法の修正、給与所得控除標準の引き上げ、給与所得税率の調整、またそれに応じる個人事業主の生産経営所得および請負経営所得の税率調整が必要とされた。
北京に集まった全国人民代表大会の代表と政治協商会議の委員らは、第12次五カ年規画(2011~2015年 以下「十二・五」と略す)の最初の重要な年として、この措置は中低所得層の利益を守り、国民の収入分配の調整に利し、人々に対し、将来的にはさらに民生に注力する政策となることを知らせるものだ、とみる。
「良いことです」と、政治協商会議委員、王海波・河北省農林科学院副院長は言う。王委員は、課税最低限の引き上げと税率の調整は、中低所得層の税負担をさらに減らすものと分析し、中低所得層の利益の保護になるとみる。
辜勝阻・全人代代表、中国民主建国会中央副主席は、現在の税収改革は二重の意義を持つとみる。「一つには、給与所得の控除標準の引き上げは、中低所得層の税負担を減らし、国民の収入の引き上げと等しいものとなります。また一方では、収入分配格差を縮小し、公平で合理的な国民収入分配における重要なプロセスとなります」という。
張兆安・代表は、さらに、家庭を単位とする徴税を提案している。「現在、中国の個人所得税の徴税対象は個人ですが、この方式は徴税が簡単とはいえ、家庭の収入の総体状況を反映したものではありません。現在は控除の標準も簡単すぎ、納税者が何人の人間を扶養しているか、またインフレ、医療、教育、住居などの問題も考慮されていません。徴税のうえでは、家庭の存在をおろそかにするべきでなく、個人のみを徴税の対象にするのは、公平公正を損ない、人間的なものであるとはいえません」
「個人所得税の課税最低限の引き上げは、長く据え置きになっていたが、今回の「十二・五」の開始の年に推進されることは、特殊な意味を持つ。これは政府が人々に対し、将来的にはさらに民生に力が注がれ、発展の成果を全国民にもたらす信号である」と閻慶民委員は語っている。(張雪=文)
人民中国インターネット版 2011年3月4日
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