「両会」前夜、温家宝総理は第12次五カ年規画(2011~2015年 以下「十二・五」と略す)期間中の中国経済成長目標を7%に引き下げることを表明した。これは、中国が自ら国内総生産(GDP)二桁成長時代に幕を下ろすことを示している。「十二・五」期間中に各分野の経済政策と経済調整構想で、ある程度の調整がなされることになる。
2001年から10年にかけては、中国にとって10年間の「黄金成長期」だった。年平均GDPは前期比で10.48%の伸びを記録した。「九・五」「十・五」「十一・五」の各期間、中国の経済成長計画では年平均成長率がそれぞれ8%、7%、7.5%だった。これが実際には8.6%、9.8%、11.2%となり、いずれも目標に比べて高い成長率となった。
現在、中国は経済面、社会面で多くの試練に直面している。まず、高投資・高消費・高成長・低効率という成長モデルはすでに持続できなくなっていること。次に、人手のひっ迫が常態化し労働力余剰から労働力不足の時代になりつつあること。そして、社会の矛盾やあつれきが経済と社会のモデルチェンジの中でさらに際立っていること。経済と社会のモデルチェンジ任務はとりわけ切迫した問題だ。
中共中央の『国民経済・社会発展第十二次五カ年規画の制定に関する提案』の中では、GDP成長加速に関する量的要求は示されていない。これは、かつてとは違う現象で、政府は施政目標を経済成長の加速から民衆の幸福に転換したことを表している。最近開催された地方の「両会」では、「幸福」という言葉が各地方の『政府活動報告』や「十二・五」規画の中に頻繁に登場している。「幸福度指数(HDI)」は政治的方向付けのガイドラインとしてますますはっきりしており、それをどのように全国「両会」で通過させ全国的社会行動とするかが、各方面の注目を集めている。
人民中国インターネット版 2011年3月3日
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