聞き手=王征
|
弊誌の取材を受ける李君如委員 |
第12次五カ年規画(2011~2015年)のなかで提案された社会管理体制の創新について、李君如・第11期中国人民政治協商会議常務委員会委員、元中共中央党学校副校長を取材した。李委員は、それは中国の執政能力のレベルアップの体現であり、社会の変化に応じるためのニーズであると語る。
――中国政府は、なぜ、社会管理体制の創新を提案したのでしょうか?
李 「改革開放」後、中国社会は総体的に良い方向に発展しています。ただ一部の人々は、中国社会はすでに「混乱」のなかにあるとみている。たしかに混乱はありますが、「混乱」は、また「活力」と共にあるものです。活力にあふれた社会は、沈滞しきった社会よりも常に良いものです。
けれど、この「活力」が伴う問題をうまく処理しなければ、「活」は「乱」となり、負の方向に向かいます。このとき、私たちは真剣に、中国社会の構造の変化、変化に対応する管理方式を研究する必要がある。
中国社会の構造の変化は、主に単一的の社会から多元的な社会へ、静的な社会から流動的な社会へ、閉鎖または半閉鎖的な社会から開放された社会への変化です。個人の具体的ケースでいうと、「単位」のなかにいた人間から「社会」のなかにある人間となり、単一的利益の享受者が、多元的利益の享受者になったということです。
中国社会にはこれほどに大きな変化が発生し、元来の管理方式と体制を守るだけでは、すでに不適応となっている。ある問題に関しては、コントロールが失われ、不具合が起き、矛盾の激化がみられます。これは社会管理理念、社会管理制度、社会管理方式と社会の変動、現実との間の矛盾、不適応の顕在化です。ですから、この時期に社会管理体制の創新を提案するのは、現在の中国社会の発展が必要とする重要な措置です。
――社会管理体制の創新について、最大の課題はなんでしょうか?
李 中国の実情に立脚すれば、一つの党委員会の指導、政府の主導、社会の協調、公民の参与による社会管理体系です。この体系がもし、党委員会、政府、社会、公民の四者の関係を協調、バランスをとりながら発展を成すものであるならば、私たちの社会の各種の矛盾、問題は、この体系のなかで秩序ある解決を可能にするでしょう。
この体系が徹底すべき大筋は、憲法と法律に従いさらに多くの民主的権力を公民に享有させ、その権力の実現を確保し、特に、公民たちがその必須とするところの、知る権利、表現する権利、参与する権利、監督する権利の遂行に秩序をもって参与することを確保することです。
社会管理体制の創新という問題の提案は、とてもよいスタートとなります。もしこの体系が築かれ始めれば、中国の発展は新しい段階に至り、それは私たちが衆目を集める経済建設の成就を建設するだけでなく、衆目を集める社会建設の成就を築くことができる、ということになります。
人民中国インターネット版 2011年3月6日
|