中国経済・社会にとって経済成長モデル転換の加速は重大な変革だ。そしてこの変革において主たる切り口となるのが経済構造の戦略的調整だ。新たな情勢、新たな問題を前に、両会の代表・委員等は第12次五カ年規画(2011~2016年)を構造調整加速の絶好の好機と見なしている。
昨年、中国経済は世界2位に躍り出た。だが江蘇晨風集団会長の尹国新代表はこのニュースを聞いても特に興奮することはなかった。「この結果にのぼせ上がっては断じてならない。構造調整の成果を打ち固めるだけでなく、構造調整を国家戦略のレベルにまで高め、改革の緊迫度を高めなければならない」----。
第11次五カ年規画(2006~2010年)期間、中国経済の成長は経済構造調整を力強く推し進めたおかげで、質・効率ともにやや向上した。食糧生産は7年連続の増産を達成、サービス業の割合は2.5ポイント高まり、5年間の累計で単位GDPあたりのエネルギー消費は19.1%削減された。
これと同時に、経済構造の不調和による問題も日増しに先鋭化している。
過度に投資依存型の経済構造は変えなければならない。河南省財政庁長の銭国玉代表は「世界金融危機によって、投資・輸出への過度の依存、内需の牽引力不足というわが国の問題が十分に明らかにされた。投資依存型の成長を継続すれば、貸付過多、資金流動性過剰などの問題を招き、経済運営は乱高下するだろう」と指摘する。
第1次産業、第2次産業、第3次産業間の調和が取れていない経済構造は変えなければならない。河南省政協経済委員会主任委員の林景順代表は「近年頻発する自然災害はわれわれに警鐘を鳴らしている。わが国の農業基盤は余りに脆く、運輸、物流を含むサービス業の発展も依然立ち後れている。構造を調整しなければ、安定成長、物価抑制、民生重視の目標は達成困難だ」と指摘する。
資源・エネルギーを過度に消費する成長モデルは変えなければならない。現在、中国の原油輸入依存度は50%を超え、エネルギー安全保障に懸念が抱かれている。中国共産党チベット自治区ニンティ地区委員会書記の趙合代表は「近年のガス不足、軽油不足などは、われわれのエネルギー構成が合理的でなく、経済・社会発展と人口・資源・環境との摩擦が日増しに先鋭化していることを物語っている。早急に調整しなければ、経済成長の安定性・持続性も試練に直面する」と指摘する。
「人民網日本語版」より 2011年3月7日
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