中国経済学界の重鎮である北京大学の歴以寧教授が3月8日、外貨準備資産の安全を懸念し、運用の多元化を中国政府に提案した。
中国の2010年末の外貨準備高は2兆8473億ドルと世界一だが、大半はドル建て資産とされる。米国政府の追加景気対策に伴うさらなる国債発行で、米国債などの資産価値下落が懸念されている。
同日の全国政協会議の席上、歴教授は「世界経済情勢が不安定ななか、外貨準備資産が下落しかねない」として、多通貨による外貨準備、金準備、土地・鉱山など外国資産・株への投資など6つの手段での、運用の多元化を訴えた。
昨年、中国による日本国債投資の拡大や中国系ファンドによる日本上場企業株の購入が報道された。(文=王征)
人民中国インターネット版 2011年3月8日
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