世界にも例をみない中国の政協制度

「私の給料ではマンションは買えないよ」と話すのは中国社会科学院世界史研究所の俞金堯研究員。「全国で15の省に40の農業基地を展開している」と話すのは、香港上場企業「超大現代農業」の郭浩社長。二人とも中国人民政治協商会議全国委員会(全国政協)委員だ。

全国政協委員は、いま約2200人。学者、経営者のほか、軍人、法官、スポーツ選手、僧侶、芸能人もいる。各分野の著名人の集まりだ。彼らは、教育、経済、農業、社会、医療、宗教、スポーツなどのグループに分かれ、経験や調査に基づき、中国の政策作成などに関わる。

「国民の生活をレベルアップするため、外資誘致を図るため、事実上、凍結されているゴルフ場の建設を進めるべきだ」とスポーツグループは提案した。一方、「ゴルフ場より、まず限られた土地に農産物の流通施設を作るべき」と別のグループに属する黄海委員は、全体会議で訴えた。

政協の取材をしているうち、相反する意見が各グループから出てくることに、よく遭遇する。中国の民主は「表」ではなく、「内」にある。

郭委員は「中国の政協制度は、世界にも見ない制度だ」と語っている。(文=王征)

 

人民中国インターネット版 2011年3月11日

 

 
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