「皆さんにご心配をお掛けしています。本当に有り難うございます!」----。福原愛選手はこの数日、この言葉を何度も繰り返している。「文匯報」が伝えた。
突然現れた災難が人々に命のはかなさを感じさせ、日本の大地震が世界各地の心を揺るがした。中国卓球界の古くからの友人であり、「仙台観光アンバサダー(大使)」を務める日本の女子卓球のエース・福原愛選手は中国のスポーツファンにとってとりわけ心配だ。福原選手は広州で14日、電話を通じ「毎日兄とふるさとのために何ができるか相談しています。この今、ふるさとを代表して日本の皆さんに関心を寄せてくださるすべての中国の友人の方々に感謝を申し上げます」と語った。
純真で可愛い「瓷娃娃(陶器のお人形さん)」の笑顔。やや東北なまりの流暢な中国語。福原選手はこれまでずっと、中国スポーツファンが追いかけてきた日本の卓球選手だ。福原選手が小さい頃から中国で湯媛媛・コーチに指導を受けていたことは誰でも知っている。しかし福原選手の故郷が宮城県仙台市であることを知る人は非常に少ない。生まれてから小学校4年生まで、仙台市は福原選手の最も落ち着けるふるさとだった。今月2日、22歳の「瓷娃娃」は仙台市長から「仙台観光アンバサダー」の委嘱状が手渡されたばかりだった。「私は仙台の食べ物が一番好きです。以前にも仙台のお土産を海外の選手にプレゼントし、喜んでいただきました。皆さんに仙台のより多くの魅力をお見せしたいです」----。この時、福原選手は満面の笑みだった。
今や、美しき故郷は被災の中心となり、福原選手の安否が中国のスポーツファンの気がかりとなった。大地震発生当日、ネットユーザーらは福原選手の動向をあちこちで尋ねていた。夜になり、湯コーチのミニブログの中でメッセージが現れ、中国のファンは安心した。福原選手はミニブログで、地震の際はコーチと共に広州でトレーニング中で、家族は東京にいて、全員無事だと明かした。「皆さん心配してくださり、本当に有り難うございます。これほど多くの友人が日本に関心を寄せてくださり、私は今回の災難も私たちは必ずや乗り切ることができると信じています。私の母国の皆さんが一日も早く今回の困難を乗り越えられ、また日本と雲南のより多くの友人の無事を祈願しています」と福原選手はつづった。
テレビ、インターネットで毎日繰り返される仙台の惨状について福原選手は、心が痛み、ふるさとへの想いが自身の最大の心の絆となったと語る。もっとも、すでに大人になった彼女はもう大会会場で涙を流す「瓷娃娃」でない。「心が苦しくご飯も食べられませんが、日本の皆さんが必ず困難を乗り切ることができると信じています」----。彼女は今月16-20日に開催される国際卓球連盟(ITTF)プロツアー・ポーランドオープン出場を控えている。出発前、彼女は自分を鼓舞し、日本の人々を励ました。「私は自分の努力を通じてふるさとの皆さんに勇気と安らぎをお分けすることができたら、と望んでいます」----。
「人民網日本語版」 2011年3月15日
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