日本の痛みをわが事のように感じる中国

 

 文=葉小文

葉小文 中国中央社会主義学院第1副院長、新中日友好21世紀委員会中国側委員、『人民日報海外版』特約論説員

日本のひどく痛ましい大地震、沿岸部の天地を覆す大津波、福島の恐ろしい原発危機。連日来の衝撃的な報道の数々に人々は胸を痛めている。一衣帯水の中国では上は総書記や総理から下は一般庶民まで、誰もが助け合いの気持ちを示している。伝えたいことは数え切れないほどあるが、一言に凝縮するとすれば3月14日に温家宝総理が人民大会堂で国内外の記者に述べた言葉「私たちはわが事のように感じている」だ。

私たちは沈痛な気持ちで、わが事のように感じている。日本の警察庁による17日午後6時(日本時間)までのまとめによると、今回のマグニチュード9.0の大地震で死亡が確認されたのは(遺体収容数)5457人、行方不明者は9508人、両者を合わせると1万4965人に上る。日々増え続けるこれらの数字を前に、私たちは亡くなった人々に深い哀悼の意を表すとともに、全ての日本人に心からのお見舞いの意を表したい。私たちは突然奪われた命に哀悼の意を表し、暗闇に閉じこめられた命に明かりを照らし、なお苦難の中にいる日本の人々が生きる力を取り戻す手助けをしたい。

私たちはその場にいるかの如く、わが事のように感じている。11日の大地震発生以来、福島第1原発は危険な状況が続いている。現在、6つの原子炉のうちすでに4つで爆発が起きた。3号機は原子炉格納容器が破損し、核汚染が充満しつつある。福島は日本版チェルノブイリになるのだろうか?核危機に全世界が神経を張り詰めている。もはやこれまでかというこの瀬戸際に、なお最後の職員50人が現場に残り、命の危険をものともせず3号機に海水を注入していることに、私たちは安堵している。17日午前には自衛隊のヘリコプター2機が3号機への注水作業を始めた。現場では白い水蒸気が立ち上るのが確認された。投下された水が目標の原子炉に到達したかどうか、このようなやり方が効果があるのかどうかはまだわからないが、私たちは日本をさらなる核被害から守るために命がけで最後の勝負に赴いた人々に敬意を表する。

私たちは心を通い合わせ、わが事のように感じている。四川大地震の際、日本の政府と人々が被災地に提供してくれた支援や救援物資を中国の人々は忘れることはない。現在、中国の政府と人々は少しの躊躇もせず日本の被災地に援助の手を差し伸べている。救援隊が駆けつけ、大量の救援物資が送り届けられ、ガソリンと軽油2万トンが続々と輸送されている。温総理は「日本の必要に応じて、引き続き必要な援助を行う」と宣言した。

わが事のように感じるのは、中国人の善良な本性だ。中国の庶民の大部分は千手観音が好きだ。他者が苦しんでいたら私たちは助けの手を1千回差し伸べるし、私たちが苦しんでいる時には助けの手が1千本あるのである。

 

「人民網日本語版」より 2011年3月24日

 

 

 
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